建通新聞社(中部)
2024/07/05
【三重】リニア三重県同盟会 2024年度総会を開催
リニア中央新幹線建設促進三重県期成同盟会は7月1日、2024年度総会を津市内で開いた。名古屋大阪間の37年開業を確実にするため、県内の詳細ルートと駅位置の早期確定に向けた取り組みなどを盛り込んだ決議案を承認。JR東海の澤田尚夫専務執行役員は、亀山市内の三つの駅候補地のうち二つで地質調査が完了し、残る一つの地点が手続き中である旨を説明した。
会長を務める一見勝之三重県知事=写真=はあいさつで、近隣県とのインバウンドの状況を比較するとともに、コロナ禍前の状況まで回復していない原因を分析。要因として、東京から直行で来られないことを挙げ、リニア開通により直行で来られるようになることから「これからの三重県の存亡が懸かっている」と訴えた。また、6月21日に閣議決定された骨太方針2024で37年開業を堅持していることを伝えた。
来賓として出席した澤田専務は「早期開業を目指して進める方針は変わらない」と述べた。6年4カ月の間工事が進められていない静岡工区については、山梨県と静岡県境の山梨県側で工事を進めることに両県・JRの三者で合意に達し、進展があったことを報告した。
名古屋以西の進捗状況に関しては、23年12月に三重県と奈良県で概略ルート、駅位置の選定に向けた地質調査を開始し、環境影響評価に着手したと話す。亀山市内の三つの駅候補地は、JR関西本線井田川駅周辺、亀山インターチェンジ周辺、JR紀勢本線下庄駅周辺。
会では、県が策定を進める「みえリニア戦略プラン(仮称)」の報告があり、23年度末に「三重県リニア基本戦略」で示した方向性の実現に向けた行動計画に位置付けているとした。
「リニア時代の新たなライフスタイルの創出」「新たな玄関口からはじまる観光交流の拡大」「新たな玄関口から生まれるビジネス交流の拡大」を戦略に設定し、戦略を支える基盤づくりとしてリニア駅を核とした交通ネットワークの形成とまちづくりを掲げた。
一見知事は総会終了後、記者団の取材に応じ、近いうちに県が指定した3カ所のボーリング調査が完了することから、JR東海には駅の設置場所について「早い段階で県と擦り合わせてほしい」と求め、「駅の場所が確定してはじめて決まることがいろいろある。早急に確定させてほしい」と述べた。
当日は県内市町の首長や地元選出の国会議員などから165人が出席した。
提供/建通新聞社