神奈川県企業庁は、寒川第2浄水場の廃止に伴い、杉久保送水ポンプ所を新設する。2024年度は基本設計や測量、地質調査を実施し、第2浄水場の廃止と第3浄水場の単独運転に切り替わる30年度までにポンプ所を整備する方針だ。
寒川第2浄水場は、今後10年以内に大規模な設備の更新時期を迎えるため、先行して30年度に廃止する。第3浄水場は現時点では51年度に廃止する計画だが、第2浄水場廃止から20年程度は単独運転となるため、事故などによる浄水場の停止リスクが高くなる。こうした事態に備えて、新たにポンプ所を設置し、寒川浄水場のバックアップ機能を維持・強化する。
杉久保送水ポンプ所は、寒川浄水場から杉久保配水池に送水する既存管路を活用し、寒川第3浄水場が停止した際には、綾瀬浄水場から受水した水を各所の配水池に送水する。
基本設計はエフウォーターマネジメント(大津市)に委託した。履行期限は25年3月14日までで、ポンプ所の建物の規模や送水管の口径、工法などを検討する。現時点では、中大口径の推進工法により新たな管路を敷設し、既存の送水管に接続させることを想定している。ポンプ所の設置に当たっては新たに土地を購入する。必要面積は現時点では未定で、基本設計で詳細を詰める。
土量などを計測し、施設の配置を検討するため、測量を星谷測量設計(海老名市)に委託した。履行期間は95日間。また、地質調査の委託に向けて入札手続きを進めている。
第2浄水場の廃止に伴って送水ポンプ所を新設するのは杉久保送水ポンプ所のみ。第2浄水場から水道水を供給している11市4町のうち、5市は管路の整備を行い、他の浄水場からの供給に切り替えるとしている。
所在地は、海老名市杉久保北3丁目地内。
提供:建通新聞社