横浜市下水道河川局は、下水道浸水対策プラン(仮称)を早ければ2024年度内にも公表する見通しだ。目標整備水準の時間降雨量を1・1倍に引き上げて、例えば横浜駅周辺地区では81・6_対応とする方針。施設整備の進め方についても考え方を転換し、シミュレーションなどに基づいた「予測対応型」で優先する地区の選定を進める。
将来的な気候変動を見越して浸水対策の目標や優先度の考え方を整理することにした。
市が同プランを策定するのは初めて。有識者で構成する「気候変動を踏まえた浸水対策検討部会」を23年度に全4回開き、プランの素案について議論した。結果を踏まえて現在、内容を精査している段階。市議会への報告やパブリックコメントを経て原案を固め、公表する予定となっている。
素案によると、施設整備の対象とする降雨(目標整備水準)について、国土交通省から示されている降雨量変化倍率の1・1倍を基に引き上げる。市内の自然排水区域では1時間当たり51・9_(現行・約50_)、ポンプ排水区域では63・7_(約60_)、特別区域の横浜市周辺地区では81・6_(約74_)となる。
併せて、1時間当たり100_の降雨が起きた場合に床上浸水をおおむね防止できるよう、ハード・ソフト対策に取り組む。
施設整備の進め方についても転換を図る。過去に浸水被害が発生した地区を優先する「発生対応型」の対策が完了しつつあることから、浸水リスクが高い地区を優先する「予測対応型」で対応。浸水想定と人口・資産などの分布状況を考慮した評価に基づき、緊急性と効率性を考慮して下水道事業中期経営計画の策定時期ごとに実施地区を選ぶ。
提供:建通新聞社