県教育委員会は3日、第1回特別支援学校教育環境改善推進協議会を鹿児島市の県社会福祉センターで開き、伊佐・湧水地区での特別支援学校の分置に向け協議した。設置基準に基づき算出した校舎面積は3282u、運動場面積が3600u。候補地は新たに1カ所が加わったことを報告し計3カ所となった。また、児童生徒数は、関係市町に2市の各一部と1町を含めると60〜90人と推計予測を示した。
分置は、児童数の見込みや施設の狭あい化、通学バスの長時間乗車の課題を踏まえ、牧之原特別支援学校における曽於地区と姶良地区、出水における姶良・伊佐地区の計3地区を検討することになった。
伊佐・湧水地区の現状は、通学バスの伊佐市からの乗車時間が30〜60分未満25人(61%)、60〜90分未満は16人(39%)。湧水町の場合、60〜90分未満14人(77.8%)、90分以上4人(22.4%)。
通学生のみの児童生徒数の推移予測(2024〜30年度)は60人前後。関係市町の出水特別支援学校管轄のさつま町と薩摩川内市祁答院町、牧之原の霧島市横川町を加えると90人前後となる。
検討状況は、23年度に提案のあった2候補地で通学バスの乗車時間は短縮されるが、同じ敷地内に学校があることから、日常的な交流が行いやすくなる一方、施設の共用により双方の教育課程を実施する上で制約が生じる可能性があることで、24年度に入り1カ所の提案が加わった。
また、牧之原特別支援学校から通学バスの長時間乗車の課題を踏まえ、35km以上離れている姶良市蒲生町の児童・生徒が利用する「姶良線」は高速道路の利用を開始。おおむね20分程度の短縮が図られ、保護者へのアンケートで肯定的な意見が多く寄せられた。
■曽於地区への新設
基本設計を委託
3地区の検討で先行する曽於地区は、志布志市の伊ア田学園敷地内に整備する。24年度一般会計6月補正予算に基本設計費5597万8000円を計上。内容を詰めている段階で、決まり次第公告する。
校舎面積は文部科学省が示した設置基準に基づき3117u以上、運動場は3600u以上を想定。
校舎のほか、温水プール、ステージ付き屋内運動場、食堂・厨房、農業実習室、農機具倉庫、屋外トイレ、温室等を計画している。
スケジュールは、25年度に実施設計、26、27年度で建設を行い、28年度の開校を図る。