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建設経済新聞社
2024/07/03

【京都】善峰川改修で土地収用手続き 南條橋の架替えなど予定

 京都市は、一級河川淀川水系善峰川改修工事について、土地収用の事業認定に向けた手続きを進めている。
 善峰川では、昭和45年1月に都市基盤河川改修事業(当初は中小河川改修事業)の認可を国土交通大臣より受け、河川改修事業に取り組んでいる。
 善峰川の治水対策は、平成19年8月に淀川水系河川整備基本方針が策定され、平成24年4月に「淀川水系桂川下流圈城河川整備計画」が策定され、同整備計画に基づき、概ね30年に1度の洪水を安全に流下させることを目標に設定。西京区大原野上里南ノ町の一級河川小畑川との合流点を下流端とし、同区大原野灰方町地内の横井橋を上流端とする延長2700mの区間について、計画時間雨量72o/hr(1/30年確率)、下流端側の計画高水水量を200m3/sとして河道拡幅と河道掘削による河積の拡大を順次行っている。
 同事業は、昭和47年度に着工し、その後、都市小河川改修事業を経て、現在は都市基盤河川改修事業として行っており、平成31年4月までに下流端から同区大原野上羽町の南條橋の下流に至る延長1680mの区間の改修を完了させた。その上流についても引き続き護岸改修工事及び用地取得に取り組んでいる。
 今回、事業認定を申請したのは、同区大原野上羽町の南條橋付近を起点として、同区大原野灰方町地内の認定道路(大原野83号線)合流点を終点とする延長288mの区間で、河道拡幅による河積の拡大を実施しようとするもの。
 当該区間は、河道拡幅を行い、河積が不足していることを解消しつつ、当該河川に架かる橋(南條橋)の架替えを行う。河積不足により、平成25年から大型台風が来るたびに河床洗掘や護岸の崩壊が相次いでおり、護岸復旧工事や根継工事を実施している状況。
 事業の認定を申請する区間の決定にあたっては、起業地を令和6年度以降に整備予定。
 なお京都市が京都府に代わり事業を行っている都市基盤河川改修事業は、協定の中で16河川を工事する事が記されている。工事を行う16河川は1/10年確率以上(善峰川は1/30年確率で整備)の降雨を安全に流下させる事を目的として、事業を進めているが、河川事業は多額の費用を要するため、年度毎の事業費を平準化させるため、整備に着手する順位を決め事業を行っており、当面は1/10年確率に満たない区間を優先して工事を行っている。
 今回の事業において当該認定申請区間の整備が完了すると整備区間全延長にわたり概ね1/10年確率を満足することとなる。また今回の事業は、市議会の承認を経るなど所要の財源措置が図られており、国庫補助金や京都府からの補助金を活用して実施する。
 今回の申請区間の事業を行うために必要な用地面積は8311u、土地所有者及び関係人は125名。
 平成29年4月から用地取得の協議を開始。令和6年3月末で、事業に必要な土地の面積のうち約8190u(約98・5%)、土地所有者及び関係人のうち119名(約95・2%)の任意協議が成立している。
 市が府に申請した左岸河道拡幅案は、取得必要面積が121u。取得必要面積が発生するが、沿川の地域住民に与える影響は小さいとした。
 河道拡幅により現況河道内を一部改変するものの、現況みお筋は保全する方針のため、河川環境に与える影響は軽微とした。
 工事内容は、延長L288m、護岸工L288m、橋梁工1橋。工事施工の難易度について、南條橋施工時の水替えが現況河道を利用できることから施工が容易であるとした。