県と盛岡市は、(仮称)動物愛護センターの整備を計画している。整備予定場所は、同市三ツ割4丁目地内の県営野球場跡地東側駐車場。県と市が共同で検討を進め、24年度中の基本計画の策定・公表を予定している。現時点では、25〜26年度に基本設計と実施設計、27〜28年度に建設工事を実施する予定。県環境生活部は、2日に開かれた県議会の環境福祉委員会において、整備予定地や基本計画の構成案、スケジュールなどを説明した。
県と市では、同センターの共同設置に向けて、18年4月に基本構想を策定・公表した。18年度から同市動物公園を整備候補地として検討していたが、感染症対策や施設整備に要する費用増加などが懸念されたことから、20年9月に同公園での整備を見送ることとした。
県と市は、県民に親しみのある場所や交通アクセスに優位性のある場所、保健所からの動物の移動に支障を来さない場所など、基本構想で定めた設置場所の要件を踏まえ、県・市の未利用地を中心に整備候補地を検討。このほど、県営野球場跡地東側駐車場を整備予定地に選定した。
本県では、老朽化した動物管理施設が多くなっている。さらに、犬の収容頭数が減る一方で、猫の収容頭数が増えており、施設自体も手狭な状況にある。県と市は、人と動物が共生する社会の実現に寄与する施設として、動物愛護の新たな拠点を整備することを決めた。
建設予定地の敷地面積は、約5000平方b。施設の具体的な諸室やゾーニング、規模、配置などに関しては、基本計画の中で確定していく。
基本計画の構成案を見ると、▽動物愛護センターの理念と目的▽設置場所▽名称▽運営・組織▽基本的な業務▽敷地・施設の整備等▽主要施設▽施設の設計に当たって留意する事項▽整備スケジュール―などで柱立てする方針。
うち敷地・施設の整備等では、施設整備のコンセプトや規模などを盛り込む。設計の留意事項では、省エネ対策をはじめ、衛生的な飼育環境や来場者が利用しやすい動線、災害拠点として機能する構造など、多様な視点から整理する。
基本構想で示す主な諸室としては、愛護啓発・交流ゾーン、動物保護・収容ゾーン、事務管理ゾーンの配置を想定している。愛護啓発・交流ゾーンには多目的ルームやマッチング室など、動物保護・収容ゾーンには治療室や検査室、搬入室、犬検疫室、猫検疫室、譲渡犬・猫の飼育管理室などを設ける考えだ。
計画策定に当たっては、有識者となる県動物愛護推進協議会からの意見や、県・市で設置する整備検討協議会の状況などを踏まえ、内容を協議・調整することとしている。
今後のスケジュールとしては、24年度中に基本計画を県・市の共同で策定し、25年3月の公表を目指す。25〜26年度に基本設計と実施設計、27〜28年度に建設工事を実施する予定だ。28年度中の開所を見込んでいる。
提供:日刊岩手建設工業新聞