4カ所を候補地に新庁舎等の建設場所を検討していた熊本市は、庁舎・議会棟をNTT桜町敷地に建て替える方針を明らかにした。中央区役所については、現庁舎駐車場敷地または花畑町別館跡地に分棟して建設する意向を示した。概算事業費は最大で約629億円。建設場所を8月中に正式決定し、設計関連予算を9月市議会に提案する。
24日の市議会特別委員会で大西一史市長が説明した。中央区役所の建設対象地2カ所を加えた6カ所で検討し、地権者の意向から城東エリア(日本郵便九州支社)とみずほ銀行を、近隣公園としての役割と防災上の重要性から白川公園を除外し、現庁舎敷地周辺(駐車場等含む)とNTT桜町敷地を比較。災害リスクや景観、事業期間、概算事業費などの観点から、建設地を桜町敷地(9987平方b)に選定した。
候補地の比較で大きく異なる点は事業期間。NTT桜町敷地が着工から約4年で完成するのに比べ、現在地では段階的な解体・建て替え・引っ越しが必要となり全てが完成するのに14年かかるとした。
概算事業費は、桜町に合築の場合約597億円、中央区役所を市駐車場敷地に分棟する場合約629億円、花畑町別館跡地に分棟する場合約616億円。合築が最も安価なものの、熊本城の景観(施設の高さ)への配慮や、新たなまちづくり、賑わい向上の観点から分棟する方向で検討する意向を示した。
新築工事費の内訳は、設計費約20億円、本庁舎・議会棟建設(延床面積5万1200平方b)約307億円、中央区役所建設(7800平方b)約46億円。駐車場は合築の場合約49億円、区役所が市庁舎駐車場敷地の場合約65億円、花畑町別館跡地の場合約68億円。
土地取得等の費用は、NTT桜町敷地約83・5億円、桜町敷地と市駐車場外敷地約96・1億円。解体費は本庁舎約90億円、市駐車場約3・6億円。
市は基本計画から実施設計まで一括し、今年度中に契約する方針を示している。
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