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建設経済新聞社
2024/07/02

【京都】元京都府警察本部別館敷地の国有地 日本赤十字社に定期借地が決定 京都第二赤十字病院の建替用地に

 近畿財務局は1日、京都市上京区の元京都府警察本部別館敷地の国有地について、認可法人に処分等相手方を決定したことを明らかにした。
 公用・公共用の取得等要望を審査中及び処分等相手方を決定した物件(6月15日現在)として、7月1日に内容を公表。その中で当該国有地について、認可法人(日本赤十字社)の要望を受け、当該認可法人を処分等相手方に決定した。「定期借地」とし、処分等予定時期は令和8年度(契約締結期限は令和8年5月)とした。
 当該国有地及び府有地については、隣接する京都第二赤十字病院の建替用地として一体的に活用される方向で計画が進められている。
 対象の国有地は、京都市上京区西洞院通椹木町上る東裏辻町418−1外1筆の土地で、面積は2463・63u。全体敷地のうち、元京都府警察本部別館敷地は約74%(2463・63u)が国有地で、南東の敷地約26%(865・13u)が京都府有地。合計の面積は3328・76u。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)。
 京都府庁敷地と京都第二赤十字病院敷地に挟まれた立地で、現在、京都府警察本部が京都府警察本部元別館地下部解体工事を第一−今村特定建設工事JVで進めている。
 地方公共団体とのこれまでの協議状況によると、令和5年4月に「京都府における国有及び公有財産の最適利用推進協議会」において、当該土地が留保財産に選定されたことを踏まえ意見交換を実施。その後、同年6月に留保財産の利用に関する意見照会を行った結果、9月に「京都第二赤十字病院の建替用地として、隣接する府有地と一体で活用(日本赤十字社へ貸付け)することが最適」との意見書を受理した。また京都市とは、令和5年6月に留保財産の利用に関する意見照会を行った結果、同年9月に「京都府からの情報提供を踏まえ、京都第二赤十字病院の建替用地として活用され、地域医療の向上が図られることは望ましい」との意見書を受理した。
 京都第二赤十字病院(開設者・日本赤十字社京都府支部)は、元府警本部別館敷地の南側に隣接して立地。丸太町通沿いの最も南側に位置するA棟(延1万5843u(築約20年)、地積2475u(土地所有者の京都市から賃貸借)、B棟(延1万1270u(築約60年)、地積2509u(土地所有者は日本赤十字社)、C棟北・C棟東・C棟南及びD棟(延1万8524u(C棟北・C棟東は築約60年、C棟南は築約40年、D棟は築約70年)、地積4026u(土地所有者は日本赤十字社)で構成し、合計延約4万5600u。
 日本赤十字社は「老朽化、狭あい、動線の問題から早期の建替えが必要」「病院機能を維持しつつ複数病棟の建替工事を行う必要があるため、余剰敷地を活用の上、建物の新築と取壊しを繰り返す必要があるが、現在の病院敷地には当該スペースがなく、近隣に代替地もないため、隣接する国有地及び府有地の利用が必要」と国有地の利用を要望。
 京都府との協議では「病院機能を維持しながら建て替える必要があることから、隣接する国有地と京都府有地を一体で、建替用地として活用することを要望」した。
 京都府は、国有地の利用方針の決定後、これに合わせて、府有地を京都第二赤十字病院の建替用地として活用する方針を決定する予定。
 土地は借受け(一般定期借地)とし、貸付希望期間は70年(新病棟の運用期間65年+建設工事等5年)とした。
 今後のスケジュールでは、令和6年度に府警は解体工事、近畿財務局は引受調整、日本赤十字社は基本設計をそれぞれ進める。7年度に近畿財務局は不動産鑑定評価、日本赤十字社は実施設計を行い、8年度に契約を締結し、定期借地権による貸付となる予定。日本赤十字社も8年度から建築工事(一期)を予定する。