松山市の一番町一丁目・歩行町一丁目地区市街地再開発準備組合(二神良昌理事長)は、6月19日に臨時総会を開き、委託先の選定作業を進めていた一般業務代行者をMPデベロップメント・浅井謙建築研究所共同企業体(東京都千代田区)に決めた。同共同企業体は外資系高級ホテルと高級マンションを核とした複合施設を提案しており、今後、事業計画や組合設立認可に向け、事業予定区域内の測量や土地評価、建物・補償調査の調査業務や建築設計、土木設計、事業計画などの各種業務を担当していく。2030年末の供用開始を目指す考え。
一般業務代行者選定の公募には最終的に同共同企業体だけが提案書を提出した。二神理事長は「富裕層のインバウンド需要を呼び込むことができ、松山の都市機能としてふさわしい会議・宴会ができるバンケットを備えた外資系高級ホテルと一番町という松山市の中心街にふさわしいハイグレードな都市型住宅を計画する提案内容だった」と説明。理事長を含めた「5人で選考し、100点満点中平均90・2点の高評価だったことから採用を決めた」とした。
また「規模など詳細はこれから」とした上で外観などについても紹介。高さ80b台のホテル棟と70b台のマンション棟で構成するツインタワーとし、低層スペースには民間の商業施設を配し、敷地内には緑地帯(公園)も設けるとした。これら事業計画については年度内にもホテルやマンション事業者が決定次第公表する考え。総事業費は200億〜300億円程度を見込んでいる。
準備組合では、一般業務代行の契約締結後、事業計画の作成作業に入るとともに8〜9月で事業協力者を決めることにしており、7月にも公募手続きを開始する考え。事業計画の作成が順調なら25年8〜9月の再開発組合設立認可申請と再開発組合設立認可を予定している。
その後は権利変換計画認可などを経て、26年10月の既設解体着手、28年4月の本体着工、30年末の供用開始を目指していく。
一番町1丁目・歩行町1丁目地区は、旧国際ホテル松山跡地周辺約0・7fで計画している市街地再開発事業。19年6月に松山市から都市計画決定を受けるなど、当初地上29階建ての超高層マンションと14階建ての高層ホテルを一体的に整備する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大などを理由に21年3月に事業休止を決定。その後、医療と住宅を用途とした複合施設を整備する計画に変更するなどしていたが、資材高騰などの影響で計画の見直しを進めていた。
提供:建通新聞社