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北陸工業新聞社
2024/06/27

【福井】瓦材料はカラーチタン採用/福井城の坤櫓など復元整備で/第3回検討委

 福井城の第3回坤櫓(ひつじさるやぐら)等復元整備検討委員会が12日開かれ、瓦の材料はカラーチタン瓦を採用する等とした。
 会場は、福井市大手2丁目の県水産会館で。
 カラーチタン瓦は、笏谷石に近い色(4キログラム/平方メートル)とする。理由は、石瓦や粘土瓦、カラー銅板瓦と比較して最も軽く、近年の寺社仏閣(浅草寺や増上寺など)の屋根葺替で使用実績が多いため、としている。
 土塀は木造で、高さ約2・5メートル、柱間約5尺。内部はモルタル壁、表面は漆喰塗り、腰板は笏谷石等、屋根瓦はカラーチタン瓦、重量は約550キログラム/メートル(往時の土塀の約3分の1)とする。
 バリアフリー対策としては、エレベーター棟と渡り廊下、階段を設ける。誰でも上がれ、スロープと比較しメリットが大きい、などとしている。
 委員からは「2、3階は非公開で。1階の構造(柱や梁、骨組み)を見せるだけでもいい。次に予定される巽櫓(たつみやぐら)との役割分担も想定し、考えてほしい」や、逆に「物見櫓なので、上がってもらい、景色を楽しむなど、体験の共有が大切なのでは」と相違した意見が出された。
 また、完成時期については「できるだけ早く、が県民の意向」などと強く求めたり、活発に意見交換。ジオラマや、映像等による展示内容についても話し合った。

<第2回までの検討まとめ>
■坤櫓・城址西側土塀の基本設計
・歴史的・文化的価値を有する建物とするため、史実性の高い復元を基本とし、建築基準法など法規制や材料調達事情、維持管理面などを考慮する
■坤櫓の復元
・木造で3層3階 高さは16メートルとする
■土塀の復元
・石垣への荷重軽減のため、内部砂利詰めは省略検討する
■石垣の調査解析、対策
・石垣の歴史的価値に配慮し、可能な限り石垣を積み直さず、最小限の補強に留める対策工法とする
・公開予定の坤櫓部は、規定の安全率を確保した対策、土塀部は立ち入り制限し、はらみの大きい範囲を補強する対策とする
■瓦の材料
・笏谷石瓦のストックや瓦材料のメンテナンス等から、代用瓦を検討する
■バリアフリー対策の考え方
・史実に基づく復元を逸脱しない範囲でバリアフリーに配慮する、基本的な考え方を確認

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