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日刊建設タイムズ社
2024/06/25

【千葉】「危険の芽」を摘み取れ/あなたの目が気付いて/建災防かずさ分会が説明会/第97回全国安全週間準備期間

 建設業労働災害防止協会千葉県支部かずさ分会会員239社)は6日、木更津市内のかずさ建設会館において「2024年度全国安全週間実施要領説明会」を開いた。木更津労働基準監督署(後援)の菊池美香署長からのあいさつをはじめ、城智広・安全衛生課長による「安全週間の実施要項の説明」、堀内拓真・労働基準監督官による「最近の法改正と労働災害の状況」についての説明で構成。全国安全週間は「人命尊重」を基本理念として1928年から実施され、一度も中断することなく今回で97回目を数える。本年度のスローガンは『危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全』。6月1日から30日までを準備期間とし、7月1日から7日までを本週間として展開する。

 7月1日からの本週間へ

 説明会に先立ち、主催者を代表して松本分会長は「重篤な災害は絶対に起こさない。労働災害をできるだけ起こさないことに尽きる」と言明。それには「災害を起こさない教育と、意識を持ち合わせながら仕事に励むことで良い環境が生まれ、労働災害のない日常が醸成されることになる」との考えを示した。
 一方、今年の県内建設業における死亡災害が、既に6件発生していることには「残念ながら、かずさ分会ではそのうちの2件を占める」と説明。「これ以上は絶対に増やさないことが、我々の使命であると深く心に刻んでいる」との決意をにじませた。
 かずさ分会の会員が現在239社で、千葉県支部の全会員のうちの10%強を占めることには「アゲインストの風により、建設業は厳しい経営を余儀なくされるが」と前置きしたうえで「その中でもお互いに切磋琢磨しながら、重篤な災害を起こさぬ経営を持続してほしい」とし、さらに「それらに取り組む姿勢を、ここに出席したみなさんが率先して示すことで、他の働く人たちの意識を少なからず向上させることができると信じている」と呼びかけ、あいさつとした。

 経営トップによる現場安全点検強化

 木更津労働基準監督署の菊池署長は、管内の今年の死亡労働災害の2件の発生状況について「いずれも墜落災害であり、1件が立木から、もう1件がトレーラーダンプの荷台からとなる」と説明。6月1日からの全国安全週間準備期間においては、特に管内の死亡災害の原因となり、建設業で多く発生する墜落災害と熱中症について、「経営トップなどによる現場安全点検等を実施することにより、労働災害を防止して頂きたい」と呼びかけた。
 安全週間実施要項や各種労働災害防止対策の実施では「安全週間のスローガンにもある『危険の芽』を摘み、職場の安全を築くとともに、7月1日からの安全週間本週間において安全意識の高揚を図ることで、労働災害を防止してほしい」とした。
 今年度の木更津労基署の重点施策としては、@賃金引上げに向けた支援A時間外労働の上限規制適用猶予事業・業種への労働時間短縮等に向けた支援B長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止対策C死亡災害の撲滅及び死傷災害防止対策D労災保険給付の迅速・適正な処理――について説明した。
 賃金引き上げに向けた支援と、安全で健康に働くことができる環境整備等を推進していくことで「すべての人が安心、安全、安定して働ける社会を目指していく」と強調。労働災害防止対策の推進とともに「過重労働の防止対策、働き方改革にも引き続き取り組まれ、安心安全な職場づくりを推進してほしい」と述べ、あいさつを結んだ。
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