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建通新聞社
2024/06/27

【大阪】府土砂災害審 モデル流域での流域砂防検討

 大阪府は、淀川水系佐保川と大和川水系千早川をモデル流域に選び、土砂・洪水氾濫対策としての「流域治水砂防」を検討する。2025年1月ごろまでに対策イメージなど今後の進め方を取りまとめる予定だ。
 6月24日に開いた24年度第1回大阪府土砂災害対策審議会で、土砂災害防止法に基づく基礎調査の進め方や「逃げる」、「しのぐ」、「防ぐ」の各施策の具体的な取り組み案について審議した。
 府での土砂・洪水氾濫対策の進め方を検討するため、国の「土砂・洪水氾濫により大きな被害の恐れのある流域の調査要領(案)(試行版)」に基づき、@流域の地形的特徴に関する調査A流域から流出する可能性のある土砂量に関する調査B保全対象に関する調査―の三つの観点から、大きな被害の恐れのある45流域を抽出。この中から、保全対象が最も多い流域として淀川水系佐保川、砂防堰堤の整備が少ない地域として大和川水系千早川をモデル流域に選定した。
 モデル流域での流域治水砂防を進めるため、24年度は砂防関係施設や治山施設、土砂災害警戒区域などのデータ収集、砂防関係施設・治山施設の効果量の確認と土砂量の設定、対策イメージ案の作成を行う。
 25年度以降に施設配置計画など土砂・洪水氾濫対策計画の検討を進め、対策の実施、他流域への展開を進める計画だ。

〜3巡目の基礎調査は衛星画像を用い地形改変を抽出〜

 審議会では、24年度に土砂災害防止法に基づく2巡目の基礎調査が完了することから、25年度以降に実施する3巡目の進め方について議論した。3巡目の基礎調査では、新旧の衛星画像を用いた地形改変の抽出を行う。衛星画像の解析など基礎調査手法検討業務をフジヤマ(浜松市)が25年2月26日までの納期で進めている。
 この他、「逃げる」施策では、これまで実施した地区単位のハザードマップ作成などを継続するとともに土砂災害をより身近に感じることのできる取り組みを検討、実施していく。「しのぐ」施策では、特別警戒区域内にある住宅の移転と補強補助制度の活用促進に向けた制度周知の徹底を図る他、土砂災害のハザードエリアを居住誘導区域から除外するなど土地利用誘導を進める。
 9月ごろに開く第3回審議会で土砂災害対策についての中間取りまとめ、25年1月ごろに行う第4回審議会で最終取りまとめを示す予定。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

提供:建通新聞社