良質な社会資本の整備を進める富山県土木部。「公共土木施設に関することが基本で、それらを利用される方々の意識や、いかに使い勝手の良いものにするかが大事」と現場を重視し、利便性、信頼性の高いインフラ整備に当たる。「1年や2年でできるものではない。先輩がこれまで築き上げてこられた成果を引き継ぎつつ、土木に携わる職員全員で進めていく」とチーム土木で取り組む。
昨年6月・7月に記録的な集中豪雨、1月には能登半島地震が発生し、県内に甚大な被害をもたらした。「豪雨の復旧は、終わったわけでない。地震の災害も査定を終え準備が整った個所から工事が出ているが、これから本格的な復旧に入る」と被災した公共土木施設等の早期復旧に全力を挙げる。住宅地などで液状化による被害が多数生じ、「顕著に現れた被害の一つ。国へ要望し、支援メニュー拡充が打ち出された。液状化対策の調査も一部始まっており、市町村と一緒に他県での事例を勉強し対応に努めていく」と述べ、支援策を最大限活用できるよう被災市と連携を図る。
令和の公共インフラ・ニューディール政策を推進。「事業全体のバランス、優先度などを踏まえ進めなければならない」と指摘し、計画的・効率的な維持管理や更新を図る。被災個所の復旧工事はもとより、「インフラ老朽化や耐震化などの対策を要する個所が未だ多くあり、それらを整備するとともに、さらに一歩前へ進むことが求められている」と強調。物流と生活を支える基盤整備、県土の強靱化を加速させ、県の成長・発展につなげる。今年度の主な事業では、「常願寺川最河口に架かる富山魚津線の今川橋架け替えで、上部工工事に着手する」と説明。このほか、富山駅付近連続立体交差事業の富山地鉄本線高架化、伏木富山港の港湾計画改定などを挙げる。
人手不足が続く建設業では、若手技術者らの入職・定着が大きな課題となっている。「若い人に建設業で働いてみたいと思ってもらい、家族など関係者の方にも面白くていい仕事であることを理解してもらえるよう、憧れの業界にしていくことが一つの目標点」と捉え、若者や女性らが活躍する職場づくりを目指す。その実現に向け、「ウィークリースタンス、週休2日、遠隔臨場など、各ツールをいろんなやり方で考えていく」とし、建設業の振興へ働き方改革や生産性向上などの取り組みを支援する。初開催の昨年に続き、9月28日に「けんせつ×テックフェス2024」を開き、魅力ある建設業をPRしていく。