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建通新聞社(神奈川)
2024/06/20

【神奈川】川崎市 高経年マンション再生支援へ検証

 川崎市住宅政策審議会(会長・川崎一泰中央大学教授)は、高経年マンションの再生促進に向けた支援策を検討するため、本年度からモデルマンション管理組合に建て替え・修繕のシミュレーション検証を実施してもらう。高経年の住宅の維持・再生の在り方について市に諮問されたことから、特に区分所有者間の合意形成が課題となるマンション再生に向けた準備・検討段階でどのような財政的または技術的支援ができるかシミュレーションを通じて審議する。モデルとなる管理組合は専門部会で三つ程度抽出。2025年8月までに検証結果をまとめ、26年5月に答申を行う予定だ。
 市内のマンション件数は約3000件。持ち家に占めるマンション戸数の割合は、政令市の中で最も高い。このうち築40年以上が経過した高経年マンションは4月時点で約600件となっており、引き続き増加することが予想される。高経年マンションの対策に向けては23年3月に「マンション管理適正化推進計画」を策定したが、区分所有者間の合意形成が必要となる再生促進の支援については整理されていなかった。
 市は6月にマンションの再生に向けた効果的な支援策を検討するのに当たって、住宅政策審議会に諮問。既に耐震改修や建て替えを実施するための支援制度は整備されていることから、再生方針の決定などに至るまでの準備・検討段階の支援について検証することとした。
 審議会がシミュレーションの手法を確定し、モデル管理組合がコンサルタントとともに実践する。老朽化度やマンションに対する不満・ニーズを把握し、費用対効果も踏まえた修繕・改修、建て替え、敷地売却などの手法を検討する。
 この他、管理組合の合意形成を図るために必要なコミュニティを作るための取り組みも検証する。審議会がアンケートやワークショップなどの方法を提示し、同じくモデル管理組合が実践する。
 審議会は管理組合による検証結果や抽出された課題などを踏まえてマンション再生促進に必要な技術的・財政的支援を検討し、答申に反映する。
 25年度夏ごろまでにシミュレーションやワークショップなど実施し、専門部会で結果を審議する。25年度末にかけて骨子案や素案をまとめ、26年5月に答申を行う予定だ。モデルマンションの修繕・建て替えなどの実施までは前提としていない。

提供:建通新聞社