県総務部は県庁建て替え事業で、現在地建て替えと移転の2パターンについて、メリットとデメリットを整理した。6日に開かれた専門家会議(会長=稲継裕昭・早稲田大学政治経済学術院教授)の第3回会議(オンライン)に提示。次回以降、建設地の議論を進展させていく。
前提として、県庁の位置については地方自治法で「住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等」について適当な考慮を払うものとされている。
また県政運営、危機管理などの拠点であるとともに、県のシンボルと整理。加えて県民や事業者にとっては手続きの申請場所となっている。
このため立地条件としては交通アクセスや周辺の都市整備の状況、自然災害などのリスクなどが重要となる。敷地については面積や形状が適切であることが大前提となる。
これから建設地を確定させるのに際して、「DXの進展や働き方の変革等による庁舎のコンパクト化や本庁と地域機関との役割等の整理は必要」とした上で、県庁舎の意義や果たすべき価値については、「変化をしながらも将来にわたって存続していく」と整理した。
6日の会議ではこのほか、求められる機能についても整理。「利便機能」「環境性能」「危機管理」の3項目に大別した。「利便機能」は職員向けとして更衣室、保育所、福利厚生施設など。県民向けには活動・交流スペース、情報発信スペース、展望台などを挙げた。そして双方向けとしてカフェ・食堂、官民共創スペースなどを提示した。メリットやコストについて次回以降、議論していくことになる。
提供:埼玉建設新聞