北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会(会長・鈴木重男葛巻町長)は15日、第6回決起大会を葛巻町のくずまき高原牧場もく・木ドームで開いた。当日は関係市町村の代表者や国・県などの来賓ら約90人が出席。大会では、北岩手・北三陸を横断する広域道路ネットワークの早期整備・着工などを関係機関に求める決議を採択した。
大会には、鈴木会長をはじめ、県北地域の関係市町村などの代表者らが出席。来賓としては、鈴木俊一財務大臣や達増拓也知事、東北地方整備局の木村康博道路部長らが出席した。
鈴木会長は冒頭のあいさつで、自然災害が激甚化・頻発化していることに触れながら、「国土強靱化対策が重要事項であり、道路が地域の発展も左右する。県においては国道281号の部分改良や、構想路線としての調査に取り組んでいただいている。同盟会では整備の具現化に向け、強力に連携し、取り組みを展開したい」と決意を示した。
来賓のうち、鈴木大臣は「県の構想路線として県内2カ所で指定を受けており、大きな成果だ。今後、県と関係市町村で北・北道路のルートや、整備すべき箇所を決めていただきながら、国として予算付けをし、整備が進んでいくものと認識している。難所の整備では、国の直轄代行事業の可能性もあるだろう。大きな思いが結実するよう、同盟会の皆さんと一緒に頑張りたい」と述べた。
達増知事は「国道281号の久慈市案内〜戸呂町口工区では、将来的な高規格道路化を見据えた規格により整備を進めている。(仮称)久慈内陸道路に関しては、沿線市町村と意見交換し、調査の熟度を高めている。今年度は、現道課題が多く確認された葛巻町内において、より詳細な地形図を用いて調査を進めるなど、一層調査を推進していく」と述べ、今後も必要な予算・財源の確保を国に働き掛ける考えを示した。
当日は、木村部長が「岩手県北の道づくりの未来」をテーマに基調講演。北・北道路の整備の実現に向けて、予算確保の重要性などを語りながら、「道路の整備効果や必要性を整理し、共通認識を持っていただきたい。県が道路の検討を進めているところであり、国として必要に応じて支援したい」と述べた。
同盟会の副会長を務める小田祐士野田村長は、大会決議を読み上げ、満場一致で採択となった。
決議内容は、▽北岩手・北三陸を横断する広域道路ネットワークについて、早期に広域移動を支える基幹道路として整備・着工されること▽県北地域の地域経済の発展はもとより、医療・教育・福祉の充実による地域間の連携を加速させるため、地域一帯の道路ネットワークの強靱化を図ること―など。
さらには、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の最終年度となる25年度においても必要な予算・財源を確保することや、切れ目なく国土強靱化を進めるための国土強靱化実施中期計画を24年内の早期に策定することなども盛り込んでいる。
提供:日刊岩手建設工業新聞