県河川砂防課は、国、県、秋田市などが連携して進めている古川流域の総合的な治水対策事業に関し、猿田川に建設する猿田川排水樋門のゲート製作・据付工事(鋼構造物)と本体工事(一般土木)を8月頃に公告、9月頃に入札する予定。ゲートは秋田地域振興局から発注し、今年度から7年度にかけて工場製作など、7年度に据付・試験等を実施予定。本体は本庁から発注予定で、土留工、地盤改良工、本体工、上屋設置工を今年度から2カ年で実施する。
猿田川排水樋門は、猿田川から古川への背水を防ぐため、合流部の猿田川左岸(大野橋上流)に設置するもの。計画流量は1秒あたり21㎥、樋門断面は幅4.35m、高さ2.6m×2連で、ゲート形式は引上げ式ゲート(ステンレス製ローラーゲート)。
引上げ式ゲート形式の採用により、動力と手動の両方で開閉操作ができ、非常時でも確実な止水が可能となるほか、古川の河道内に整備することで、猿田川合流部にある大野橋を取り壊さずに施工できるため、周囲の交通への影響が最小限になるとしている。
2年度には測量を秋田県林業コンサルタント、地質調査を千秋ボーリング、樋門予備設計を大日本ダイヤコンサルタントに、4年度には樋門詳細設計をエイト日本技術開発、用地測量を遠藤設計事務所に、今年度は地盤変動影響事前調査を水建技術に委託している。
ゲートの製作・据え付けや本体工事の実施に向け、古川から下流の猿田川に向かって全長114m、幅員7mの仮桟橋を設置することとしており、先行して上流側の延長81.5mの工事をまもなく契約。残りの32.5mについては7月以降に公告する。
今年度に仮桟橋設置工事、来年度から7年度末にかけてゲート製作・据え付けと排水樋門本体工事を行い、8年度からの供用開始を予定している。
古川流域の総合的な治水対策は、秋田市(建設部、上下水道局)、県(河川砂防課)、国(東北地方整備局秋田河川国道事務所)が連携。大雨の際に浸水被害が頻発している古川流域の総合的な治水対策として、排水機場やポンプの建設、河川防災ステーション整備などの対策を推進しており、16日には着工式が挙行されている(関連記事3面)。
提供:
秋田建設工業新聞社