国土交通省那賀川河川事務所は6月3日、第17回長安口ダム改造事業費等監理委員会を開催した=写真。長期的堆砂対策について、全体事業費約185億円の増額、工期を2028年度までから33年度までへの5年延伸、トンネル・橋梁・ベルトコンベヤーの整備延長縮小などを盛り込んだ「長期的堆砂対策変更案」を示した。今後、事業計画変更手続きを進め、事業推進を図る。
計画策定時からの物価変動や消費税増加、週休2日制導入による現場維持費用の増加を考慮し、事業費の再検討を行った。その結果、トンネル・橋梁・ベルトコンベヤーの整備計画延長を縮減。新たな計画では追立ダム上流で掘削した土砂を貯水池搬出場までダンプトラックで運搬、長安口ダム下流までベルトコンベヤーで運搬する。トンネル2カ所計4・3`と橋梁1カ所0・2`、ベルトコンベヤー4・8`に整備延長を縮減する。
これにより土砂運搬設備に関わる費用を約18億円減とする。長期的堆砂対策の事業費は、全体では約885億円から約1070億円へと増額される。当初は、追立ダムから長安口ダム下流までベルトコンベヤーで土砂運搬し、トンネル6カ所計8・2`と橋梁5カ所計0・9`、ベルトコンベヤー9・2`の整備を計画していた。
全体的な長期的堆砂対策の事業変更(185億円増)の内容は、社会的要因の変化として、計画策定時からの物価変動が約144億円、消費税増額が約13億円、週休2日制導入などに伴う増額が約13億円。他に現場条件の変化による流入土砂などの見直しと調査費用追加で約7億円増額する。コスト縮減は土砂運搬施設の整備に関わる内容で18億円減額、堆砂除去に関わる内容で11億円減額。これに対し将来の事業費変動要因への対応で約37億円増額する計画。
提供:建通新聞社