富山県測量設計業協会(市森友明会長)の主催による「地図教室」と「測量実習」が13日、高岡市の戸出西部小学校で開かれた。後援は国土地理院北陸地方測量部。
国土交通省が定める6月3日の「測量の日」関連行事の一環。協会と同測量部では例年、県内の小学校を訪問し、児童に測量と地図が果たす役割、重要性を理解してもらう活動を展開している。
この日は6年生60人が参加。開会あいさつではまず、戸出西部小の豊原正貴校長が、「測量は、皆さんが何気なく使っている物の量、建物の高さなどの正確な数値を測ること。今日は測量の専門家が来られ、皆さんが中学・高校と学ぶ上で、測量を経験として身につける大切な授業をしていただく。校内の授業だけでなく、グラウンドで実際に測量を体験して学んでもらう。良い機会にして下さい」と語った。
続いて、市森会長が、「測量が最初に始まったのは、今から224年前の1800年。伊能忠敬が蝦夷地、今の北海道で測量を始めたのがスタート。今日皆さんに体験してもらう測量機器は最新のもの。ドローンや人工衛星を使った測量など、技術は発達している。本日は、基礎的な技術を楽しく学んでほしい」と話した。
ランチルームで開いた地図教室には、北陸地方測量部から白井宏樹部長、測量課測量係の竹井義貴氏が講師として出席。「北陸地方陰影段彩余色立体図」を、赤青2色メガネを使って立体的に観察した後、地図の読み方のポイント、身近な地図記号をクイズ形式も交えて紹介した。新しい地図記号「自然災害伝承碑」も解説し、「身の回りにある伝承碑を知り、災害に備えるきっかけにしましょう」と助言した。
グラウンドに移動して行われた測量実習では、児童が5班に分かれて、(1)水準測量(2)トータルステーションでの距離測定(3)三角定規を使った高さの測定(4)歩測による距離測定(5)GPSでの身長測定−をそれぞれ体験。ドローンによる空中写真撮影も行われた。最後に県測量設計業協会の今川健治副会長が閉会あいさつを述べた。
なお、測量実習に際しては、会員企業から、エイ・テック、雄川コンサルタンツ、北建コンサル、協和、建成コンサルタント、建設技研コンサルタンツ、上智、日本海測量設計のほか、シーティーエスの担当者が協力し、指導に当たった。