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日刊岩手建設工業新聞社
2024/06/13

【岩手】東日本建設業保証岩手支店 建設業景況調査 地元建設業界「景気は悪い傾向続く」

 東日本建設業保証(株)岩手支店(打田徹支店長)は、23年度第4回の建設業景況調査(対象企業65社、有効回答率98・4%)をまとめた。今期(1月〜3月)の地元建設業界の景気は、悪い傾向が続いている。官公庁工事の受注状況は減少傾向がやや弱まっており、収益では減少傾向がやや弱まっている。来期の景況感は、悪い傾向がやや強まり、受注は官公庁工事の減少傾向が強まると見ている。収益でも減少傾向が強まる見通し。

 今期の地元建設業界の景況感はマイナス23・0と、悪い傾向が続いている。地区別で見ると、「盛岡」では悪い傾向が弱まり、「県南」では悪い傾向がやや弱まっている。一方、「北部沿岸」と「南部沿岸」では悪い傾向が続いている。業種別では「土木」で悪い傾向が弱まっており、「設備」で悪い傾向がやや強まっている。

 受注総額は、減少傾向が続いている。地区別では、「北部沿岸」で減少傾向がかなり弱まっているものの、「盛岡」で減少傾向が強まっている。業種別では「建築」で減少傾向がかなり弱まっている。
 官公庁工事と民間工事の別で見ると、官公庁工事は減少傾向がやや弱まっており、民間工事は減少傾向が続いている。うち官公庁工事の動きを地区別に見ると、「北部沿岸」では減少傾向がかなり弱まっているが、「盛岡」では減少傾向が強まっている。業種別では、「建築」で減少傾向がかなり弱まっているが、「設備」で減少傾向が続いている。

 資金繰りは厳しい傾向が弱まっている。地区別で見ると、「南部沿岸」で厳しい傾向がかなり弱まっているが、「盛岡」と「北部沿岸」で厳しい傾向が続いている。短期借入金は増加傾向がやや弱まっている。地区別で見ると、「県南」は増加傾向が弱まり、「盛岡」では減少傾向に転じている。

 資材の調達は、困難な傾向が続いている。業種別では、「設備」で困難な傾向がかなり強まっている。調達が困難との回答が多かった資材は、「電材」(15・6%)、「鋼矢板・鋼管」(7・8%)など。「電材」の回答は、前回調査よりも10・9ポイント上昇した。

 資材価格は、上昇傾向が続いている。業種別では、「土木」と「建築」で上昇傾向が弱まり、「設備」で上昇傾向が続いている。価格が上昇した主な資材としては、「生コン・セメント」(26・6%)のほか、「コンクリート二次製品」「アスファルト合材」(ともに20・3%)などが挙げられている。

 建設労働者の確保では、困難な傾向が続いている。地区別で見ると、「盛岡」で困難な傾向が弱まっているものの、「北部沿岸」で困難な傾向がかなり強まっている。業種別では、「設備」で困難な傾向が強まり、「建築」で困難な傾向がやや強まっている。
 建設労働者の賃金は、上昇傾向が弱まっている。地区別で見ると、「南部沿岸」で上昇傾向が続いているものの、「盛岡」で上昇傾向がかなり弱まり、「北部沿岸」と「県南」では上昇傾向が弱まっている。

 収益は減少傾向がやや弱まっている。地区別では、「県南」で減少傾向がかなり弱まり、「北部沿岸」でも減少傾向が弱まっている。一方、「盛岡」では減少傾向が強まり、「南部沿岸」で減少傾向がやや強まっている。
 収益減少の主な理由は、「完成工事高の減少」(96・6%)との回答が最も多く、次いで「資材価格の上昇」(55・2%)、「競争激化」(48・3%)など。

 今期の経営上の問題点としては、「受注の減少」(68・8%)、「競争激化」(50・0%)、「人手不足」(48・4%)、「従業員の高齢化」(40・6%)などが続いている。
 来期の景況感は、悪い傾向がやや強まり、受注に関しては、官公庁工事の減少傾向が強まる見通し。収益でも減少傾向が強まると見ている。

 同支店では、「資材価格や労務費などが引き続き上昇傾向にある。完工高が減少しており、収益が圧迫されるという流れが続いている」としている。

提供:日刊岩手建設工業新聞