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西日本建設新聞社
2024/06/12

【熊本】一般会計854億円を肉付 県6月補正案

 熊本県は、14日開会の定例県議会に上程する6月補正予算案を公表した。木村敬知事になって初めてとなる予算編成は、渋滞解消やTSMC効果の波及、スポーツ・観光・文化芸術の振興など、知事マニフェストの「くまもと新時代を共に創る・県民への10の約束」の実現に向けた施策を盛り込んだ。一般会計の補正額は854億円で、補正後の総額は8561億4800万円。前年度当初と比べ6・3%(約574億円)減、前年度同月では7・3%(約673億円)のマイナスとなる。
 知事選で当初が骨格予算だったため、今回肉付けした。補正後の総額を前年度当初と比較すると、人件費は退職手当の増等により117億円増加。新型コロナウイルス感染症への対応に係る事業の減少で、物件費は92億円減、その他は576億円減となっている。投資的経費は総額1776億円で、直轄事業負担金が32億円減少する一方、2020年豪雨災害復旧と合わせて実施する河川改修の増や、半導体関連産業の集積に伴う企業立地促進費補助の増などにより、全体で18億円増えている。
 「10の約束」のうちの渋滞解消は、菊池南部地域の対策推進2億1900万円、地域公共交通の利用促進3700万円、幹線道路ネットワークの整備促進71億円、阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備の推進2億2500万円を付けた。アクセス鉄道は、2億4500万円の債務負担行為も設定しており、24年度は設計検討等のための鉄道概略設計調査、測量・ボーリング調査、環境調査等を行う。
 TSMC効果波及では、水俣・芦北地域振興計画の推進2400万円、肥薩おれんじ鉄道再構築の推進500万円などを予算化した。水俣・芦北振興は、水俣広域運動公園(エコパーク水俣)に屋根付きの運動施設がなく支障があるとして、必要な調査に乗り出す。渋滞解消のためのアクセス道路の拡幅等も実施する。
 スポーツ・観光・文化芸術の振興では、公民連携によるスポーツ施設整備の検討に着手する。主要施設の多くが老朽化等の課題を抱えており、民間活力の導入や民間事業者主体の整備など、スポーツ施設整備の方向性を検討する。今年度に検討会議を立ち上げ、整備手法や整備主体、整備コストなどを調査する。予算額は800万円。
 このほか、県有財産の有効活用で、熊本総合庁舎、熊本土木事務所等の跡地について、民間への定期借地や売却を視野に、活用策を調査・検討する。テクノリサーチパーク内の県有財産は、交流拠点となるUXイノベーションハブの26年度開所に向けて、民間事業者へ売却する方針。
 6月補正予算案の部局別の主な事業関係は次のとおり(※は当初予算分含む)
【知事公室】
 九州広域防災拠点構想推進1億3500万円(※)=広域支援舞台活動拠点の環境整備、訓練実施▽防災DX推進事業1100万円(※)=国次期総合防災情報システムと県防災情報共有システムの連接、ハザードマップ音声化アプリ導入
【企画振興部】
 県立施設を核とした五木村振興推進1000万円▽JR肥薩線鉄道復旧調査・検討2000万円▽球磨川リバーミュージアム構想推進600万円▽阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備調査検討3億7200万円(※)▽公民連携によるスポーツ施設整備検討800万円
【観光戦略部】
 伝統工芸館施設改修・運営5億8800万円(※)
【農林水産部】
 農業農村整備144億4700万円(※)▽森林環境保全整備16億3600万円(※)▽治山事業40億9300万円(※)▽水産物供給基盤機能保全事業7億9600万円(※)▽水産環境整備4億1300万円(※)
【土木部】
 河川改修81億6700万円(※)▽砂防施設整備19億6300万円(※)▽益城町土地区画整理23億3700万円(※)▽道路交通ネットワーク整備221億700万円(※)▽道路施設保全115億5900万円(※)▽河川・砂防事業273億600万円(※)▽港湾整備50億6700万円(※)▽緑のウェルカムプロジェクト3億円=沿道景観の保全整備等
【警察本部】
 半導体関連産業等の集積に伴う交通渋滞対策の加速化1億8900万円=交通管制システムによる集中制御信号機の拡充▽交通安全施設等整備19億5100万円(※)
【教育委員会】
 学校施設整備58億8200万円(※)。

提供:西日本建設新聞社
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