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日本工業経済新聞社(群馬)
2024/06/11

【群馬】水資源機構群馬用水が改築事業着手へ


水資源機構群馬用水管理所は庁舎やトンネル、ゲートなどを対象に老朽化対策を計画している。現在は施設改築事業として国への認可申請手続きを進めている段階。手続きが順調に進めば、これからゲート補修設計などの業務を5件、双林寺トンネル外補強など工事3件の公告を予定している。また、庁舎改築や双林寺トンネル補強などの設計業務4件は公告済みで、認可が下り次第開札する方針。事業期間は2030年度までとなり、総事業費は100億円を試算している。
改築事業の対象となる主な施設は◇庁舎◇取水施設◇双林寺トンネル・堀越第1暗渠・早川暗渠◇赤城および榛名流況安定施設◇赤榛分水工◇東部揚水機場◇十文字揚水機場◇各水位調節外水門−。うち、庁舎と取水施設、双林寺トンネル外は設計業務が公告済みとなっている。
これから設計業務を委託するのは、赤城および榛名流況安定施設と赤榛分水工、各水位調節外水門。このほか、各施設にある受変電設備などの設計や双林寺トンネル外を対象とした用地測量などの委託を予定しており、いずれの業務も25年1〜3月の公告を見込んでいる。
前橋市柏倉地内の赤城流況安定施設および榛東村広馬場地内の榛名流況安定施設は、ともにポンプ設備や制御設備を対象とした老朽化対応を計画している。設計は2施設を一括しての公告となる見込み。
赤榛分水工は、渋川市上白井地内で群馬用水を赤城幹線と榛名幹線に分岐させる施設。ゲート扉体含め各種設備で、さびなどの対応方法を検討、設計を作成する。
各水位調節外水門は自動ゲート10カ所、電動ゲート9カ所を対象に一括しての委託を予定。老朽化対策の設計業務を予定している。
受変電設備の設計は、庁舎やポンプ場など老朽化した既存受変電設備が対象。どの施設でどのような工事を行うかを設計の中で詰めていく。
用地測量業務は双林寺トンネルを中心に今後、土木工事が必要となる箇所を対象とする。
本年度に工事発注するのは、双林寺トンネル外と東部揚水機場、十文字揚水機場の3件。
双林寺トンネル外は、渋川市中郷地内の同トンネルと前橋市堀越町地内の堀越第1暗渠、桐生市新里町新川地内の早川暗渠の3カ所で工事を予定。これから委託する設計の中で詳細を詰めるが、いずれも100m程度の施工を見込んでおり、通水しながらの工事を計画。3カ所を一括した発注を基本に検討しており、25年1〜3月に一般競争入札での公告する方針。
揚水機場2カ所は、東部揚水機場が前橋市柏倉、十文字揚水機場は高崎市箕郷町にある施設。ポンプや電動機、弁類などを対象に改修を計画。各揚水機場事の工事を年内に一般競争入札で公告する。設計は直営で作成する。
庁舎(前橋市古市町386)の改築は、すでに設計業務を公告済み。認可が下り次第開札し設計を進め、早ければ25年度に工事へ着手する。また、庁舎内に設置する水管理制御設備の更新設計も同様の状況となっている。制御設備の更新工事は、庁舎の工事進捗状況を見て発注時期を判断する。
現段階での計画は、敷地東側へ庁舎を新設するとともに、2棟ある既存庁舎のうち、管理棟庁舎を改修。旧庁舎や寮、倉庫、カーポートなどを解体する内容となっている。規模はRC造または重量鉄骨造の2階建て、延べ床面積約700uを想定している。
昭和村川額地内の綾戸取水口と予備となる沼田市岩本町地内の岩本取水口が対象。綾戸取水口は幅18mの取水口に鋼製の取水ゲート2門、非常用ゲート1門を備えている。岩本取水口は、幅20・5mの取水口に鋼製取水ゲート2門となっている。扉体や歯車、ローラー部分でさびなど老朽化していることからその対応を行う。設計は公告済みで、工事は25年度以降に発注する。