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建設経済新聞社
2024/06/11

【京都】国宝(建造物)二条城二之丸御殿 黒書院など6棟保存修理へ 基本計画策定でプロポ公告

 京都市は、国宝二条城二之丸御殿(遠侍及び車寄、式台、大広間、蘇鉄之間、黒書院、白書院)について、保存修理事業を計画。令和6〜7年度に基本計画を策定する。
 対象6棟は、遠侍が入母屋造、本瓦葺、車寄が入母屋造、檜皮葺(平面積1123・75u)、式台が入母屋造、本瓦葺(平面積332・05u)、大広間が入母屋造、本瓦葺(平面積784・28u)、蘇鉄之間が入母屋造、本瓦葺(平面積105・04u)、黒書院(小広間)が入母屋造、本瓦葺(平面積569・32u)、白書院(御座之間)が入母屋造、本瓦葺(平面積298・22u)(附属之間、入母屋造、本瓦葺、黒書院・白書院渡廊、両下造、本瓦葺)。
 保存修理工事は現時点では屋根葺替/半解体修理とし、第1期に白書院(1棟)、第2期に黒書院・蘇鉄之間(2棟)、第3期に大広間・式台・遠侍及び車寄(3棟)の3つの区分とすることを想定している。文化財の価値を守り、観覧者の安全・安心を確保するための耐震補強も行う。
 保存修理工事に伴い建て替える建築物は、▽二之丸御殿団体用入口・廊下▽警備ボックス(二之丸御殿)▽二之丸御殿車寄倉庫▽白書院渡廊下スロープ等を予定。
 今後は、令和6〜7年度に基本計画を策定、7年度に元離宮二条城国宝・重要文化財(建造物)保存活用計画の見直しを行い、7〜8年度に第1期工事基本設計及び実施設計を進め、9年度に第1期に工事着手する予定。
 文化市民局は10日、国宝(建造物)二条城二之丸御殿保存修理等基本計画策定業務を公募型プロポーザル方式で公告した。
 業務内容は、@調査及び諸条件の整理(▽概況調査▽法的条件、行政手続きの整理▽破損調査▽耐震診断計画に係る構造調査)A工事計画(▽工区・工期▽付帯工事▽共通仮設▽直接仮設工事▽工事車両経路▽障壁画の修理保管所▽樹木・植栽の移植・復旧▽工事発注方式(通常発注方式、PFI、デザインビルド方式等を比較し、適切な発注方式を検討)▽事業スケジュール▽概算事業費)B耐震診断計画(▽軸組図の作成▽耐震基礎診断▽耐震性能の向上措置)C公開活用計画(▽観覧▽設備)D防犯防災計画(▽強電設備の通電分界点の整理と通電時間の管理方法▽自動火災報知設備▽消火設備(屋外消火栓、屋内消火栓、スプリンクラー、放水銃、ドレンチャー等)▽監視カメラ設備▽機械警備設備(赤外線センサー等)等)E環境保全計画(▽獣害対策▽外部保護柵▽樹木(庭園)▽雨水排水等)。
 履行期間は令和7年8月31日まで。
 委託料上限額は7995万円(税込)。
 プロポの参加資格は、▽京都市競争入札参加資格者名簿(測量、設計、工事のいずれか)に登録▽平成21年度以降、延面積330u以上の重要文化財建造物(令和6年4月1日時点の指定を含む)に関する保存修理工事の設計業務、施工業務又は同一物件の設計施工業務を元請けとして受注し完了した実績を有する▽平成21年度以降、重要文化財建造物に関する耐震診断又は耐震補強設計の業務を元請けとして受注し完了した実績を有する(ただし同一物件で耐震診断と耐震補強の両方を実施した場合は1件として計上する)等。
 参加申請書の提出は6月24日まで、企画提案書の提出は7月18日まで。ヒアリング審査は7月下旬に行い、受注候補者の決定、選定結果の通知は8月中旬、契約締結は8月下旬を予定。
 担当は京都市文化市民局元離宮二条城事務所保存整備係(рO75−841−0096)。