北陸地方整備局8日、聖籠町東港4丁目地内の特設会場で「新潟港(東港区南ふ頭地区)国際物流ターミナル整備事業」着工式典を開いた。県・関係市町の関係者、施工業者、県選出国会議員ら約50人が出席した。
式では植田雅俊副局長が新潟港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた取り組みとして村上市および胎内市沖で洋上風力発電が計画されていることや、新潟港が基地港湾(海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾)に指定されたことに触れ「洋上風力に必要な資機材を運搬する基地として活用するほか、運転が開始されると岩船港でさまざまな保守点検やメンテナンスを行う計画」と事業概要を説明した。工事に際しては「施工者と一体となって計画通り事業を安全に進める」と語った。式典後に行われたセレモ二ーでは関係者や聖籠町立蓮野小学校児童が参加。植田副局長が地盤改良機のスイッチを押し、参加者全員でくす玉を開披すると大きな拍手が寄せられた。
基地港湾の役割を果たすには洋上風力発電設備の重厚長大な資機材を取り扱うために必要な高い耐荷重性を備えた岸壁、資機材輸送に使用する貨物船が着岸可能な延長と水深を有した岸壁などが必要。工事は既設の鋼矢板式構造の岸壁を存置したたま、地盤改良機による固化改良および砕石舗装を行い、岸壁の地耐力を2・5トン/平方メートルから35トン/平方メートルに強化するほか、ポンプ浚渫船により水深を10メートルから12メートルへ増深。概要は岸壁(水深12メートル)の地耐力強化(延長230メートル)、泊地(水深12メートル)6・2ヘクタール。事業期間は2026年度まで。総事業費は91億円。
計画では27年4月から新潟港を基地港湾として利用するとともに、運転・保守時は岩船港を活用。なお、洋上風力発電は三井物産と大阪ガスなどで構成する「村上胎内洋上風力コンソーシアム」が事業者に選定され、29年6月の運転開始予定。