日本工業経済新聞社(群馬)
2024/06/10
【群馬】みどり市は温泉施設の移転工事へ
みどり市は笠懸町鹿地内で予定する温泉施設かたくりの湯の移転整備工事について、7〜9月ごろにも建築、電気、機械の3分離で一般競争入札で公告する。温泉施設は2026年度の供用開始に向けて今年度から工事着手となり、継続費の内訳は24年度が15億1678万6000円、25年度を10億1119万円とし、総額25億2797万6000円を設定している。基本設計業務は桂設計(東京都新宿区)が手掛けた。
かたくりの湯は1997年に建設され、73年に整備された大間々老人憩の家とともに健康増進施設として利用されてきた。老朽化が著しく、ユニバーサルデザインの未整備や安全性、快適性などに課題が多いことから両施設を統合し、源泉地付近へ移転する。
新施設はW造およびRC造で一部S造の平屋となる。床面積は2105uで基礎は直接基礎。最高高さは7・5m。駐車場は129台で一般車が100台、福祉6台、職員23台の内訳。
建物は鹿田山の麓に稜線と調和する勾配屋根の連なるシルエットとし、源泉地に近い敷地の北側に配置することで、温泉配管を短くすることを可能とした。また、車寄せの整備を行うほか、福祉駐車場も確保したことでユニバーサルデザインに配慮している。
防災計画については、災害時の屋外避難ができる施設となっているため、緊急車両の活動空地としても利用可能な多目的広場も整備する。多目的広場には通常時は長椅子として、災害時には炊き出しなどでかまどとして使用可能な、かまどベンチを設置。また、多目的広場と連続する屋根に覆われた半屋外の軒下空間を整備し、災害用備蓄品を収納する防災倉庫も設置する。停電発生時には、発電機電源を使用して、受水槽加圧吸水ポンプに電源供給することで上水の使用を可能とした。
非常用発電機も設置し、72時間の電源供給を実現する。太陽光発電設備としては、管理事務室内に太陽光専用コンセントを設置することで対応する。
外装仕上げのイメージは勾配屋根は温泉泉質の対候性に優れ、美観を維持するアルミ屋根とし、外壁は明るい印象の黄白色および落ち着きのある樺茶色の塗材で仕上げる。内装については市産材の木材を活用、落ち着きのある明るく温かみのある色調とする。