川崎市は、DeNAと京浜急行電鉄が計画する「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」に合わせて官民連携で京急川崎駅周辺のまちづくりを推進するため、地区の一体的な整備・利活用の方向性をまとめた。JR川崎駅から市街地再開発事業やアリーナの建設予定地、多摩川に至るまでのゾーニングを示すとともに、歩行者動線の確保と多摩川地域軸の強化を示した。具体的な整備内容については関係者と協議しながら検討していく。
市は2015年3月に京急川崎駅周辺地区のまちづくり整備方針、20年11月には市街地再開発事業と連携した都市基盤整備に向けて京急川崎駅西口地区の整備誘導の考え方を策定。23年度末にDeNAと京浜急行電鉄が新アリーナの建設計画を明らかにしたことから、新たに都市基盤の整備や利活用の方向性を示した。
全体のゾーニングはJR川崎駅から京急川崎駅・再開発事業エリアに向かう経路となる「駅前にぎわいゾーン」、地上24階建ての再開発ビルが建設予定の「再開発ゾーン」、アリーナまでを結ぶ「事業連携ゾーン」、約1万5000人規模のアリーナが開業する「アリーナゾーン」、アリーナに近接した河川空間を活用する「多摩川連携ゾーン」の五つを設定。
京急川崎駅からのアクセスの向上、国道409号の歩道改良などを通じてウォーカブルなまちづくりを推進するとともに、京急線の高架下や多摩川の水辺空間の活用なども誘導する。建築物の耐震性能の確保や無電柱化、広場空間の整備など災害に強いまちづくりを目指す。
基盤整備の一環として、京急川崎駅付近を走る駅前本町線は一部を歩行者空間とし、川崎駅側にはタクシー乗り場を整備する。代替として西側を走る川崎府中線の相互通行化により車両動線を集約する計画で、本年度から工事に着手する予定だ。
提供:建通新聞社