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北陸工業新聞社
2024/06/10

【富山】とやま企業リポート2024/NiXJAPAN/「重要変状」を重点に点検/高岡市橋梁維持管理研究で/横浜国大と成果報告

 高岡市と横浜国立大学、NiX JAPAN(富山市)が協定に基づき策定を進めてきた「橋梁維持管理の合理化に関する研究」の成果が6日、報告された。
 市役所で開かれた報告では、細田暁都市イノベーション研究院教授と市森友明社長が出席。
 細田教授は「これはマニュアルではなく、ガイドラインで、様々な哲学が注入されている。今後もアップデートが重ねられることになるが、私は関与し続けたい」と述べた上で、今回の研究について「コンサルタントの技術者と一緒に現実の橋梁模擬点検を行い、これまでの方法を、どのように合理化できるか考えた。合理化に加え、診断方法、補修・補強のやり方を構築していく必要がある」と指摘。ガイドラインでは、橋梁の性能に悪影響を及ぼす可能性があるものを「重要変状」と定義し、「かすり傷のような放っておいてよい傷は放っておく、そのエンジニアリングジャッジメントが大切だ」と発表した。
 市森社長は、「持続可能なインフラ点検のエコシステムを作り上げた。重要変状はしっかり点検し、一般変状は360度カメラを使った簡易的な点検と大胆に合理化した。点検費用をおおむね15%削減できる。点検費用が下がる分は、補修費に充当できる」と説明し、「今後は周辺自治体に普及を図り、将来は複数自治体にまたがる包括的な維持管理につなげたい」と今後の展望を示した。NiX JAPANからは阿曽克司、小坂由紀夫の両執行役員が同席した。
 両氏の報告を受けた角田市長は、「新しい提案であり、高岡市とNiXで実装し、他市に影響を出していく責任も負った。他市の首長からも期待の声を聞いている」と話した。
 市が管理する橋梁は約1160橋。今回の研究は約77%を占めるRC中実床版橋617橋など898橋を対象に実施された。

hokuriku