石川県議会は7日、本会議を再開し、打出喜代文、米澤賢司、長田哲也、竹田良平、太郎田真理の5議員が一般質問した。馳浩知事は6月補正予算案に第1期整備工事費を盛り込んだ、金沢城二の丸御殿復元について「内外装工事の最盛期は5年後。見せる復元により文化観光に役立てたい」と意欲を示した。
第1期は御殿表向の玄関、式台、虎の間、実検の間が対象となり、馳知事は「能登ヒバなどの県産木材をふんだんに使用し、漆塗りなどの伝統工芸技法を用いる。内外装工事の最盛期はおよそ5年後」としたほか「多くの方々に愛着を持っていただきながら工事を進めたい。工事現場見学会、木材加工や金箔張りの伝統技術による施工を実際に体験できるツアーなどのイベントを考えている。見せる復元により文化観光に役立てたい」と述べた。
工事の流れに関して桜井亘土木部長は「現場を覆う仮設建物を整備したのち、御殿本体の柱や梁などの建築、屋根や内外装といった仕上げ、外構と順を追って整備する」「障壁画は原寸大の下絵を製作し、全体の構図を確認した上で順次進める」とし、「今年度は工事に必要な電気設備や仮設建物に加えて障壁画下絵の製作に着手する。第2期となる竹の間の整備に向けた検討も第1期整備工事と並行して進める」とした。
能登半島地震により崩落した金沢城の石垣の復元について知事は、東日本大震災で被災した白河小峰城(福島県)を参考に「復旧には3から5年程度要し、崩落に至らなかった石垣の復旧を含めると全体工期には少なくとも15年程度かかると考えている」とした。