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建設新聞社
2024/06/10

【東北・宮城】三菱地所が仙台市郡山北目地区に東北圏初の次世代基幹物流施設

 三菱地所(東京都千代田区 中島篤執行役社長)は、仙台市太白区郡山北目地区に2030年代前半をめどに長町IC直結型の社会課題解決型基幹物流施設を整備する。
 建設予定地は「仙台市郡山北目地区土地区画整理組合設立準備委員会」(菅野則義委員長)が土地区画整理事業として施行する仙台市太白区郡山北目地内で、東北自動車道仙台東部道路に接続する仙台南部道路の結節点「長町インターチェンジ」に直結するところ。敷地面積は約11万平方bで、ここに延べ約27万3000平方b、東北圏で初となる次世代基幹物流施設(マルチテナント型)を建設する。施設タイプはダブルランプウェイ型。
 物流業界も24年度からトラックドライバーの時間外労働における上限等の規制が適用されたことを受け、これに伴う輸送能力不足や物流コストの上昇などの懸念や、物流の効率化といった課題がある。これに対し三菱地所が次世代モビリティをはじめとした先端技術を活用する「社会課題解決型次世代基幹物流施設」の整備を進める。
 次世代モビリティとは自動運転トラック、後続車無人隊列走行トラック等で、これらの受け入れを可能とするのが社会課題解決基幹物流施設。京都府城陽市に建設中の「(仮称)京都城陽基幹物流施設」が日本初の施設で、今回が公表ベースでは第2弾のプロジェクトとなる。
 建設予定地となる仙台市太白区郡山北目地区で進める土地区画整理事業は施行面積約44fで、現況が市街化調整区域であることから25年5月の市街化区域編入に向け協議を進めている。地権者は90人程度で、5月26日には準備委員会を設立した。27年度中の組合設立を経て、造成工事に着手したい考え。コンサル業務はオオバが担当している。施行面積44fのうち宅地は27fで、三菱地所が活用する約11fを除くエリアの活用は今後、検討を進める。

物流施設を核としたまちづくりへ
3者で覚書を締結

 三菱地所、仙台市郡山北目土地区画整理組合設立準備委員会、仙台市の3者は7日、仙台市太白区郡山北目地区に計画する社会課題解決型基幹物流施設の実現に向けた覚書の締結式を仙台市役所で開催した。
 締結式には三菱地所の中島社長、菅野委員長、郡和子仙台市長が出席。3者が密接に連携し、物流課題の解決および地球環境への負荷が少ない物流ネットワークの形成を図り、地域経済の持続的な発展などを目指すことを目的とする。
 連携事項は▽仙台市郡山北目土地区画整理組合設立準備委員会による土地区画整理事業の推進に関すること▽三菱地所が整備を進める基幹物流施設の実現に向けた支援等に関すること▽その他本覚書の目的を達成するために必要な活動に関すること−の3点。
 郡市長は「社会課題解決型の基幹物流施設ということにとても感動しワクワクしている。ニーズの高度化、多様化する中で、物流問題をどう解決していくのか、脱炭素社会の実現に向けた取り組みがここにある。宮城、東北の持続的は発展に資するものと大きく期待している」とあいさつした。
 三菱地所の中島社長は「仙台での事業展開には強くコミットとしてきた。物流施設を核としたまちづくりの機会をいただけることに大変うれしく思う。仙台市、地権者の皆さまとともに一体となって計画を実現できるように三菱地所グループ一丸となって取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
 施設の誘致先となった組合設立準備委員会の菅野委員長は「今回、三菱地所からお話をいただけたことは大変光栄で、地区の将来が楽しみだ。事業の実現に向けたさまざまな課題を解決するため、本日の覚書締結を機に皆さまとより一層連携して素晴らしいまちを完成させたい」と意気込みを語った。
 なお施設の完成により、2800人程度の雇用創出につながる見通しとしている。

 提供:建設新聞社