建設新聞社
2024/06/06
【東北・宮城】阿部和工務店と契約/JAXA角田官民共創推進系開発センター
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宮城県角田市にある角田宇宙センター内に「官民共創推進系開発センター」を建設するため、設計技術協力・施工一括のECI方式で選定した阿部和工務店と、5月31日に工事契約した。同27日に行った見積もり金額は19億4975万円(税込み)。予定価格は20億0006万9500円(同)。
角田宇宙センターは、ロケットの心臓部となるエンジンの研究・開発および民間事業者のロケット推進系開発を支援する取り組みを行っている。これまで民間に対しては実験設備を提供していたが、民間による打ち上げビジネスがトレンドになり、ロケット事業を展開する企業が増えていることから新設を計画した。設備を提供することで民間事業者が参入する初期段階でのリスクを低減できるほか、独自開発できる能力・技術を身に付けることを狙いとしている。
設備の特徴は、推力10d規模のエンジンや個別パーツの実験などが可能。同じ実験ができる設備を2カ所以上配置し効率化を図るほか、燃焼騒音消音装置を設けて近隣への騒音対策を施す。積極的に民間の使用を想定する設備の導入は今回が初めて。
建設地は、角田市君萱小金沢1の敷地内にある極低温ターボポンプ試験設備の南側の用地。ここにRC造2階建て、延べ1200平方bの試験棟を設ける。そのほか、S造平屋建て、延べ350平方bの準備棟の新設および、延べ412・5平方bの計測制御棟を対象とした改修工事も行う。いずれも設備工事を含む。準備棟は、試験棟で使用する実験物のセットアップを行う施設。基本設計はニッテイ建築設計(東京都中央区)がまとめた。
今後、2025年3月から設備工事に着手し、運用開始は同年10月を目指す。
提供:建設新聞社