神奈川県内の水道事業者(神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市)と用水供給事業者の神奈川県内広域水道企業団が構成する5事業者水道事業連携推進会議は、水道システムの再構築に向けた施設整備計画を策定した。計画では、浄水場の廃止に伴って必要となる綾瀬〜寒川間送水管など、延長約45`の送水管路など9件の敷設や、想定するスケジュールを明らかにした。計画期間は2027〜55年度で、送水管路などの整備には648億円の事業費を見込む。
水道施設の再構築では、現在11ある浄水場のうち、寒川・小雀・有馬浄水場の3カ所を段階的に廃止する。8浄水場体制に再編する際に必要となる施設整備については、新たに送水管路を設置しなければならない箇所などの「最低限整備すべき送水管路など」の他、災害時の安定給水を確保するために「バックアップ機能向上」を図るための送水管路などを選定した。整備が完了すれば、1浄水場が停止した場合のバックアップ可能率が96%になり、20年度現在の69%から大幅に上昇する計算だ。
再整備に伴って必要となる管路の内径や延長、ポンプの揚程などの能力を整理した。既存の施設の更新や改修時に合わせて整備することなどを想定しているが、詳細については整備主体となる広域水道企業団が作成する事業計画で詰める考え。
送水管やポンプなど、必要となる施設整備9件は以下の通り(@必要内径A必要延長)。
▽上粕谷〜南金目間送水管路敷設@1350_A約6・9`▽いぶき野ポンプ増設▽矢指〜上和田分岐間送水管路敷設@1500_A約4・1`▽綾瀬〜寒川間送水管路敷設@1650_A約7・6`、寒川方面送水ポンプ新設(揚程52b)▽港北送水ポンプ新設(揚程21b)▽牛久保仕切弁設置@2800_▽都岡〜高塚間送水管路敷設@1650_A約6`、高塚〜小雀間送水管路敷設@1650_A約9・3`▽都岡〜港北間送水管路敷設@1650_A約6・7`▽木古庭〜池上・逸見間送水管路敷設@600_、1000_A約4・2`
提供:建通新聞社