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建設経済新聞社
2024/06/06

【京都】若年・子育て世帯の移住・定住促進 市内の既存住宅取得を支援 令和6・7年度で計560世帯想定

 京都市が令和6年度予算の第二次編成で新規事業として盛り込んだ「既存住宅の取得支援による若年・子育て世帯の移住・定住促進」について、5日開催の市会予算特別委員会で質疑があった。
 既存住宅の取得支援による若年・子育て世帯の移住・定住促進は、予算額が3億5000万円。京都に住みたいと考える若年・子育て世帯の移住・定住を促進するため、最大200万円の住替え奨励金制度を創設するもの。
 交付額は最大200万円。
 「基本額」は、以下の全ての条件を満たす世帯に対し、100万円を交付する(@未就学の子ども(妊娠を含む)がいる世帯A築5年以上かつ購入価格500万円以上の既存住宅を自己居住用として購入B既存住宅購入後に市内事業者が施工するリフォーム工事を実施)。
 「加算額」は、基本額に以下のいずれかを満たすごとに50万円を加算する(@子どもが2人以上いる世帯A購入する既存住宅が京町家又は管理計画認定を受けたマンションB市外からの転入)。ただし最大2項目、100万円加算まで。
 その他の特徴としては、▽「まちの匠・ぷらす」など他の改修補助金の併用が可能▽独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35の金利優遇を適用▽リフォームの相談や事業者の紹介、他の改修補助金の案内、当該奨励金の申請受付を行うワンストップ窓口の設置。
 予算特別委の質疑では、予定件数(令和6年度240世帯、7年度320世帯の計560世帯を想定)について「京都市内から近隣の都市に世帯で移り住むのが年間におおよそ800世帯ほどあるとデータ上の推計をしている。これを踏まえ、新築を求めて郊外に出られる場合もあるが、一方で新築・既存にこだわらないという住宅の取得を考えている人も一定数、約4割ほどいるというアンケート結果がある。これを踏まえ800世帯の4割ということで320世帯と算出した。ぜひとも京都市内の既存住宅を選んでいただきたい。令和6年度はスタート時期が若干遅れるため、日数割りで若干世帯数を減らした」と述べた。また交付の条件設定について「令和4年12月実施の人口動態分析で、0歳児から4歳児を含む世帯の市街流出が顕著に表れているというところを主眼に置いているため、今回は未就学児ということにターゲットを絞った」「人口流出抑制という大きな目的とともに、京都市内の既存住宅をしっかりと活用していこうということを考えている。新築に近いような物件ではなく、既存住宅を選んでいただくということを主眼としている」「住宅の購入時に市内の事業者がリフォームを行うという要件を設定している。市内の事業者の工事をする機会をしっかりと確保したいという従前から取り組んでいることの延長線上であるということと、若い世帯・子育て世帯が住み替えをする時に水回りの工事をするケースが非常に多いと聞いている。それも含めて幅広にリフォームがカバーできるようにしたいと考えている。市内業者が請け負っておられるかどうか、契約書などや、リフォームをした前後の写真の提出というものを求めて確認をしていきたい」などと述べた。
 事業の開始時期について「議決され予算の成立後、速やかに開始したいが、今のところ8月中旬ぐらいをメドに進めていきたいと考えている」と見通しを示した。