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建通新聞社
2024/06/06

【大阪】大阪モノレール延伸 継続妥当で府民意見へ

 大阪モノレールの延伸事業による事業費増加などについて、大阪府は6月3日、2回目となる建設事業評価審議会都市整備部会を開き、委員に対し追加説明を行った。部会では、事業継続を妥当とし府民意見に諮ることが了承された。6月中旬から1カ月間、府民意見と府民による意見陳述を求める。第3回部会で、募集した府民意見を基に再度審議する。
 第1回部会の際に説明が不十分とされた、2年で再々評価となった要因や事業費増の詳細について追加説明した。2022年度の再評価時点から2年で再々評価となった要因として、22年度は詳細設計や関係者協議が進んでおらず、事業の全体像が見通せていなかったことを挙げ、今回詳細設計が約8割完了したことから延伸区間全体の事業費を精査し、再々評価の実施に至った。
 事業費増の詳細については、現地調査や関係者協議などによる設計変更で約184億円増額した詳細について説明した。このうち基礎構造の見直しでは約79億円増額する。追加の土質調査結果を踏まえ、当初想定していた大口径場所打ち基礎工法からオープンケーソン基礎工法に変更した他、地盤改良範囲が地中構造物と干渉するため、地盤改良が不要な工法に変更した。
 既存構造物への対策には、約56億円を追加した。近接する高速道路の橋脚が変位していないか常時観測を追加し、基礎施工時に地盤改良などの対策工を追加したことが増額の要因となる。
 架設工法の見直しでは約23億円増額。大阪中央環状線との交差道路や地下構造物をまたぐ箇所で桁架設時のベントの設置スペースが限られるため、クレーンベルト架設工法から送り出し架設工法に変更した。
 維持管理設備の追加では約9億円増額する。高速道路や鉄道との交差箇所といった即時の点検が困難な箇所に常設の点検路を追加設置した。
 第1回部会ではこの他、(仮称)瓜生堂駅駅舎の基礎工法変更による開業時期の変更について、「部分開業はできないか」との意見があった。府は、仮に部分開業するためには、車両折り返し用の分岐器や信号設備の整備が必要になり追加コストがかかること、すでに設計が完了している支柱・基礎構造の見直しが必要となること、国の認可変更に一定の期間を要することなどから、部分開業ではなく33年度の一括開業を目指すとした。
 大阪モノレール延伸事業は、現在の大阪モノレールの終点となる門真市駅から近畿自動車道に沿って東大阪方面に約8・9`延伸する計画。松生町駅と門真南駅、鴻池新田駅、荒本駅、瓜生堂駅(いずれも仮称)の5駅を新たに設けるとしており、荒本駅は第2四半期に発注が予定されている。
 今回、工法変更に加え物価高騰の影響などから事業費を当初の約786億円から約1436億円に増額。また、瓜生堂駅駅舎の建設予定地の地盤が想定より軟弱であることが判明し、基礎工法を変更することから開業時期を29年から33年度に変更するとしている。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

提供:建通新聞社