高知県は5月29日、県庁で国土交通省四国地方整備局と建設事業調整会議を行い、海岸・河川の南海トラフ地震・津波対策、中小河川・ダムの治水対策、災害に強い道路ネットワーク、水道施設の耐震化などについて意見交換を行った。県は、浦戸湾三重防護の推進、柳瀬川(越知町)のような河床掘削・堤防の未整備箇所があることや緊急輸送道路・地方道などを事前復興的に整備する必要性を指摘し、「国土強靱(きょうじん)化実施中期計画」を2024年度中に策定すること、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策後も、強靱化に必要な予算を別枠で確保することを要望した。
M田省司知事は、半島地域にある土佐清水市、大月町、室戸市に高規格道路の整備構想がないことに触れ「能登半島地震の被災状況を考えると、ポスト8の字として半島地域にも高規格道路の整備が必要だ。整備の手順もあるが構想路線の早期具体化に向けた調査への着手をお願いしたい」と述べた。
これに対して、四国地整の佐々木淑充局長は「道路の必要は理解しているが、高規格道路として整備する必要性については整理する点がある」と答えた。
その他、県側は緊急自然災害防止対策事業債をはじめとする治水対策に有利な地方債制度の延長、香南市の吉川・赤岡・岸本の3海岸での高潮・侵食対策を国の直轄事業にすることを提言。
水道施設の耐震化促進に向けては、国事業ペースを約6倍にする予算総額の確保や、国費交付率を2分の1に引き上げ、地方財政措置を拡充させることなどを求めた。
提供:建通新聞社