国土交通省小松島港湾・空港整備事務所は、本年度の新規事業として「徳島小松島港赤石地区国際物流ターミナル」の岸壁延伸工事を開始する。既存の岸壁を西側に80b延伸し、泊地を浚渫する。初弾工事として第2四半期に浚渫工事を、続いてケーソン2函の製作をそれぞれ一般競争入札で発注する。残りのケーソン製作や据え付け工も25年度以降、予算を確保した上で発注する。事業期間は2030年度まで。全体事業費は約90億円を見込んでいる。
初段工事では浚渫土量3万1000立方b、ケーソン製作の建設資材は生コン約1000立方bを想定している。工事発注規模は浚渫工事が2億5000万円以上8億1000万円未満、ケーソン製作が1億5000万円以上2億5000万円未満。設計は三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当した。
全体の整備内容は徳島小松島港赤石地区の岸壁延伸80bと延伸部分の泊地水深13bの浚渫工一式。既存岸壁から西に向かって延伸し、高さ約16b、幅約15bのケーソン5函を据え付ける。
徳島小松島港赤石地区は県内唯一のコンテナターミナルを有し、海上コンテナ荷役の中心地となっている。近年、県内企業が化学工業薬品の増強を計画し、原料や製品に係るコンテナ輸送量の増加やバイオマス発電所の活動開始に伴い木材チップの輸入量増加が見込まれている。また徳島小松島港へのクルーズ船寄港も増加傾向にある。
しかし、既存の岸壁とふ頭用地では、国際フィーダー船を既に着岸している船舶と同時着岸させるために必要な岸壁の長さや用地面積が確保できていない。クルーズ船の寄港時にはコンテナ船や木材チップ船が係留できず沖で滞留する状況にある。こうした課題やトラック輸送に関わる人員が圧倒的に不足している問題に対応して地域産業の国際競争力の強化を図るため、整備を進める。
提供:建通新聞社