大阪建設業協会の錢高久善会長は、5月29日に開いた2024年度定時総会後に前田浩輝副会長と共に記者会見し、4月から適用されている時間外労働の上限規制について、「施工上の時短につながる取り組み事例を会員間で水平展開することにより、労働時間の削減や労働環境の改善を目指す」と述べた。
錢高会長は、官民の全工事を対象とした「目指せ!建設現場土日一斉閉所」運動を全国的な展開に先駆けて推進し、週休2日を定着していくことを強調。「発注者の皆さん、特に民間の事業主にわれわれの現状を理解いただき、少しでも協力してもらえるよう取り組んでいく」とした。
建設業の担い手確保に向けては、昨年度に制作した、現場見学会を疑似体験できるVRコンテンツをさらに拡充する姿勢。「学生らに建設業の本当の面白さを知ってもらうには、現場に足を運んで実際に見てもらうのが一番。近畿地方整備局や大阪府など発注者にも音頭を取っていただき、現場の魅力を知ってもらえるような企画を催したい」との考えを示した。
大阪・関西万博について「大阪で仕事をしているわれわれとしては、世界中の人たちから『大阪、関西は面白い』と思ってもらえるよう、万博の成功を願うばかり」。各工事が本格化していくが、工事費や工期の面において、万博関連以外の仕事に影響が出ないようにする必要があるとした。
総会で新副会長に選任された前田副会長は、「当協会は建築工事を主体としている会員が多い。民間工事においても4週8休以上を定着していけるよう各施策に注力したい」と抱負を語った。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社