京都市は、市の博物館機能を担う考古資料館及び歴史資料館の老朽化や狭隘化、耐震化対策の検討とともに、文化財の収蔵機能の整備に向け検討に入る。
令和4年4月の博物館法改正により、これからの博物館の役割として、教育や文化の域を超えて、まちづくり、観光、福祉、国際交流といった様々な分野との連携による地域社会への貢献が期待されている。
そうした中、京都市考古資料館及び歴史資料館は、博物館類似施設(博物館と同種の事業を行う施設(登録又は指定を受けていないもの))にとどまっており、博物館機能を十分発揮できていないほか、施設の老朽化や狭隘化、耐震性能等の問題が喫緊の課題となっている。
これらに加え、博物館機能の在り方、考古資料館をはじめとする市有施設の老朽化、埋蔵文化財の収蔵容量の問題の解消について、それぞれの課題抽出を行うとともに、他都市における博物館機能の事例を収集し、京都ならではの歴史博物館機能の構築を目指す。
市は、令和6年度予算案(第二次編成)に、京都ならではの歴史博物館の機能の検討(考古資料館耐震改修含む)について、700万円の事業費を新規計上。令和6年度は基礎調査を行う。
なお、市は平成27年度に京都市考古資料館等整備基本計画案策定業務について、公募型プロポーザル方式で受託候補者を環境・建築研究所(京都市左京区)に選定した。
また令和3年度から12年度までの10年間を計画期間とする京都市文化財保存活用地域計画において、歴史資料館・考古資料館の在り方検討など盛り込んでいた。