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日刊岩手建設工業新聞社
2024/05/30

【岩手】岩手県建設業協会久慈支部 豚熱対応で埋却溝を整備 会員の総力挙げて作業

 洋野町の養豚場で豚熱の患畜が確認されたことを受けて、県では28日午後8時に豚熱対策本部を設置した。これに伴い、現地での殺処分が始まった。現地では、県建設業協会久慈支部(岩瀬張敏行支部長)の会員を中心に、29日の夕方から埋却溝の掘削などに当たっている。

 県によると、27日の午後に農場から県北家畜保健衛生所に豚熱を疑う異常豚の発生について報告があり、同日中に農場に立ち入りして臨床症状を確認した。28日に中央家畜保健衛生所でPCR検査を行った結果、11頭中11頭で陽性を確認。国の検査機関で確定検査を実施して、午後8時に国において患畜と判定した。
 県は発生農場に対して飼養豚や生産物などの移動自粛、部外者の立ち入り制限など、まん延防止措置の徹底を指示するとともに、発生農場の疫学関連農場がないことを確認。28日午後8時に対策本部を設置した。本部会議終了後、現地では殺処分を開始した。殺処分の対象となるのは約1万7500頭。

 建協久慈支部の会員は、埋却溝の掘削作業を進めている。3班の交代制により、24時間対応で作業を進める計画。建協本部では、情報収集に当たるとともに、必要に応じて隣接支部の応援体制を整えることとしている。
 28日午後8時ごろには、久慈市の久慈建設会館において、支部長や副支部長らが情報を整理し、会員への依頼方法などを打ち合わせた。処分数量が多く、作業終了までに相当程度の時間を要することから、支部会員への説明・要請の必要があることを確認した。同日から埋却場所への仮設道路の整備などに着手し、現在も整備を進めている。
 29日午前9時には、全会員で情報を共有。仮設道路の整備などの環境が整った一部区画において、同日夕方から、埋却溝の掘削に取り掛かった。現時点での掘削土量は約3万6000立方bの見込みとなっている。

 岩瀬張支部長によると、使用重機として、掘削用のバックホウ(コンマ7)4台のほか、運搬用のクレーン付きバックホウ4台、フォークリフト2台、キャリアダンプ2台程度などで作業を進めていくこととしている。
 岩瀬張支部長は「会員各社の皆さんに応援を要請している。支部会員の総力を挙げて、作業に取り組みたい」としている。

提供:日刊岩手建設工業新聞