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福島建設工業新聞社
2024/05/29

【福島】工事入札で「一抜け方式」など検討/県

 福島県は、工事の入札で「一抜け方式」「一括審査方式」の導入を検討する。課題や効果を探るため今年度、土木部発注工事で試験的に実施する。「地域の守り手育成型方式」の対象にならない予定価格3000万円以上の工事を対象に、地域性を勘案して浜通り、中通り、会津の3方部から各1件程度を選んで実施。結果を来年2月の県入札制度等監視委員会で検証する。
 復興事業の終息で工事発注件数の減少が見込まれる中で、試行中の「守り手育成型方式」と合わせて、地元企業の受注機会確保と中長期的な育成を図るため、導入を検討する。
 一抜け方式は、工事の開札順をあらかじめ定めておき、入札者が上位順の工事で落札候補となった場合、次順番の工事の入札書を無効とするもので、不調や不落などの不測の事態による工事遅延のリスク回避や、過大受注による工事の品質低下を防ぐ狙いもある。
 一括審査方式は、入札参加資格要件等を共通化できる複数工事の技術資料を一つにし、受発注者双方の業務負担軽減を図る。
 この2つの方式をセットで実施する。対象工事は総合評価方式による案件で@一つの機関が発注する同一工種の工事A原則、同一日の公告、開札B入札参加資格要件(地域、格付け)が同一−などを条件に選定する。
 一括化する資料の内容は今後詰めるが、技術審査書の提出を求める標準型、簡易型が軸になりそうだ。対象工事であることは入札公告で明示する。
 両方式は国土交通省が2012年度に導入。県によると、都道府県では31団体で導入済みだという。
(提供:福島建設工業新聞社)