関東地方整備局、県、千葉市、東日本高速道路、水資源機構は28日、2024年度千葉県事業連絡協議会を県庁中庁舎10階大会議室で開き、24年度の主要事業について共有を図った。関東整備局の西川昌宏・企画部長は冒頭、出水期を迎えるに当たり「災害に強い国土・県土づくりに一緒になって取り組みたい」と述べたほか、「首都圏と千葉県の成長を支える拠点となる空港や港湾をつなぐネットワークをしっかりと整備し、利用者に使ってもらうため、連携を強化していきたい」との考えを示した。
池口正晃・県県土整備部長は「能登半島地震を踏まえ、道路啓開計画を検討している。実際の出動に当たっては建設業界の皆さまの理解が必要となるため、連絡体制を詰めていく必要がある」と説明。
また、関東整備局が房総半島をモデルケースとし、災害対応などの整理・検討を行っていることを受け、実効性のある計画の作成に期待を寄せた。
出席者は、関東整備局の関係部長・事務所長、県の関係部長・局長・次長・課長、千葉市の関係局長・次長・部長、水資源機構関東事業室長、東日本高速道路の関係部長・事務所長など。
関東整備局は、県と千葉市における24年度予算概要を紹介。
県内の直轄事業における24年度当初予算の負担基本額(地方負担額算出において根拠となる額)は約225億円(対前年度比0・99倍)で、23年度補正予算と一体とした場合には約343億円。
これにより、田中調節池、江戸川水閘門、利根川・江戸川の河川改修、首都圏中央連絡自動車道大栄〜横芝、東京湾岸道路千葉県区間、千葉港海岸直轄海岸保全施設整備、千葉港千葉中央地区複合一貫輸送ターミナル整備などの事業を推進する。
さらに、千葉市内の直轄事業における24年度当初予算の負担基本額は約9・1億円(同1・29倍)で、23年度補正予算と一体とした場合には約9・6億円。
これにより、東京湾岸道路検見川立体や湾岸千葉地区改良蘇我地区などの事業を進める。
その後、「2024年問題」や働き方改革に話が及んだ。
西川部長は「今のところ大きな問題は聞こえてこないが、クレーンの搬送や生コンの流通などで少しずつ影響が出てきている」との認識を示し、必要に応じて情報共有を図るとした。
池口部長は「働き方改革の取り組みが市町村まで行き届いていないと指導いただいたが、これについては千葉県建設業協会との意見交換の中でも指摘されている。われわれだけでなく、業界全体が変わらなければならない」との見方を示した。
千葉市の山口浩正・建設局長は「千葉市では23年度において、月単位の4週8休がおおむね定着してきた。24年度は、県、市、千葉県建設業協会、千葉市建設業協会と連携して毎月第2土曜日の一斉閉所に取り組む」と紹介し、「完全な土日閉所を目指していきたい」と強調した。