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建通新聞社
2024/05/28

【大阪】大阪市 モノレール延伸の負担約22億円増

 大阪市は、大阪モノレール延伸事業の事業費と開業目標の見直しについて、5月23日の5月市会建設港湾委員会に報告した。開業目標が2029年度から33年度に約4年間延期されることなどから、市域1・3`区間の事業費は、当初の約53億円から約66億円増の約119億円となり、これに伴い、市の負担分も当初の約18億円から約22億円増え、約40億円になる。大阪市の横山英幸市長は「事業継続の妥当性について審議する大阪府の建設事業評価審議会の内容を注視していく」と話した。
 増額分の内訳は、物価高騰による影響が約50億円、現場条件を踏まえた橋脚本数や基礎構造の変更などによる影響が約11億5000万円、公共工事に関する諸経費率の上昇による影響が約4億5000万円。最も大きな要因となった物価高騰については、当初事業費を算定した12年度単価と比較し、建設労務費・資材単価が約1・7倍に上昇した。

〜横山市長「建設事業評価審議会を注視する」〜

 建設港湾委員会では、山本智子委員(公明党)が質疑を行い、事業費が当初の倍以上にまで膨らんだことについて「特に物価高騰による影響が大きいが、事業費を算定した12年度から現在に至る約10年もの間、事業主体の府が事業費の精査・管理を行っていなかったことは理解しにくい点だ」と厳しく追及した。
 費用負担の増加について市の見解を求められた横山市長は、「大阪府は、外部有識者の意見も踏まえ、建設事業評価審議会の場で事業継続の妥当性について審議すると聞いており、市としても内容を注視していく」と述べるとともに、「引き続き、府市連携の上で事業の推進に取り組む」と答弁した。
 また、横山市長は、延伸事業を実施する意義について「市内中心部を東西につなぐ鉄道路線を南北にもネットワーク化し、大阪空港ともダイレクトに接続するなど、広域な鉄道ネットワークの形成により、利便性が向上する」とし、「東部エリアの活性化や魅力向上に当たって重要な事業だ」と強調した。
 大阪モノレール延伸事業では、現在の終点となる門真市駅から近畿自動車道に沿って南に約8・9`延伸し、松生町駅と門真南駅、鴻池新田駅、荒本駅、瓜生堂駅(いずれも仮称)を整備する計画だが、大阪市内に新たな駅を設ける予定はない。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

提供:建通新聞社