県、千葉市、関東地方整備局、東日本高速道路などが参加する「能登半島地震を踏まえた関係機関連絡会議」が24日、県庁本庁舎5階大会議室で開催された。熊谷俊人知事は「被災地の状況を自らの目でも確認し、半島であるがゆえの課題を実感した。また、千葉県でも相次いで地震が発生した。県としては、今後3年間で市町村が実施する孤立集落対策を支援していくための新たな補助金の創設、緊急輸送道路における法面緊急点検など、必要な対策を講じていくこととした」と説明。「今後とも、関係機関の皆さま方との協力体制によって『防災県』を確立していきたい」と力を込めた。
添谷進・県防災危機管理部長は「関係機関との協力体制を維持し、災害時に緊急輸送道路あるいは防災拠点へのアクセスルートの速やかな啓開を行える体制を整備する」としたほか、「上下水道施設については、これまでも管路の耐震化を引き続き行っていくとともに、耐震化や停電対策に係る交付率の引き上げや採択基準の緩和、半島地域に対する優遇措置などを要望していきたい」と述べた。
関東整備局の須藤純一・統括防災官は、関東地方において厳しい条件下で地震災害が発生した場合に円滑な災害対応を行うため「能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループ」を設置したことを紹介。房総半島をモデルケースに設定し、▽能登半島地震における被災の特徴や対応の教訓・課題▽房総半島の地理的特徴、施設分布や防災体制、地震による被害など▽関東整備局の災害対応への反映――などを整理・検討している。
東日本高速道路関東支社の芹沢尚一・管理事業部付部長は、大規模災害発生時に救援機関が前進基地・集結基地として活用することを想定した防災拠点休憩施設を関東支社管内に37か所、県内に8か所(東関東自動車道湾岸幕張パーキングエリア(PA)上下、同酒々井PA上下、館山自動車道市原サービスエリア上下、京葉自動車道幕張PA上下)整備すると話した。
そのほかの主な対応方針・方向性は▽千葉市=マンホールトイレの整備などの取り組みの継続、上下水道の耐震化の推進▽千葉県消防長会=感震ブレーカーの普及方策検討▽東京ガス千葉支社=液状化の危険性が高いエリアのガス導管網のブロック化▽東日本電信電話千葉事業部=非常用エンジン未設置通信ビルの非常用電源の強化、大規模通信ビルの耐震強化(毎年2〜3棟)▽ソフトバンク=基地局のバッテリー増強、発電機の配備強化。
また、県警察本部、陸上自衛隊第1空挺団、東日本旅客鉄道、東京電力パワーグリッド、ドコモCS千葉支店、KDDI南関東総支社、楽天モバイル、日本赤十字社千葉県支部、千葉県社会福祉協議会もそれぞれの取り組みを説明した。