加賀東芝エレクトロニクス(能美市岩内町)が同社敷地内で昨年4月から工事を進めていた「加賀東芝エレクトロニクスD3PJ新棟」の竣工式が23日に執り行われた。関係者約80人が出席し、パワー半導体を量産する新たな製造拠点の完成を祝った。試運転を経て秋の稼働を目指す。
席上、施主を代表して東芝の島田太郎代表取締役社長執行役員CEOがあいさつに立ち、「主力製品であるパワー半導体はカーボンニュートラルの達成に重要なアイテム。日本最大級のこの工場を光り輝く東芝の成長の基礎にしていく」と述べるとともに、将来的に計画している第2期工場の建設にも意欲を示した。
引き続き、来賓の馳浩知事が「パートナーとして能美市、石川県も一緒に発展をとげていきたい」と祝辞。井出敏朗能美市長も「もう1棟を早く建てていただけるよう、県と一緒にしっかり支援していく」と述べ、会場の笑いを誘った。竣工式後、出席者は施設内を見学した。
今回は約1000億円を投じた第1期分。300ミリウエハー対応パワー半導体の製造棟となり、生産能力拡大に伴う人員増に対し、事務棟や付帯建屋も整備した。建設規模はS造5階(地下1階)建て延べ4万317・25平方メートル。建設場所は現工場南側となる。工場内は自動化され、従業員数は300人を見込んでいる。
施工は建築が大林組、電気設備は東芝プラントシステム・北陸電気工事共同企業体、機械設備は新日本空調・オーク設備工業共同企業体、水処理設備は栗田工業。設計は東芝一級建築士事務所が担当した。
さらに約1000億円を投じる第2期工事の製造棟については、第1期製造棟と事務棟の間に建設する計画だ。着工時期などは未定ながら完成すれば、パワー半導体の生産能力が2021年度に比べて3・5倍に増加する。