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建設経済新聞社
2024/05/22

【京都】三条駅周辺地域の約9・6f 都市再生緊急整備地域指定へ 低未利用地や公有地を再開発

 内閣府は20日、都市再生緊急整備地域案及び地域整備方針案を明らかにした。
 京都関係は「(仮称)京都三条駅周辺地域(9・6f)」と「(仮称)京都駅周辺・京都南部油小路通沿道地域(405・2f)」。
 京都三条駅周辺地域の地域整備方針案によると、整備の目標は「祇園などの繁華街や東山などの観光地に近接し、文化芸術ゾーンである岡崎地域へのアクセスも良く、賑わい・観光・文化芸術の拠点となる立地であるうえ、鉄道と主要なバス路線が結合する交通結節点のポテンシャルを活かし、低未利用地や公有地における都市開発事業の実施により、国内外から多様な人々が集い、暮らし、働き、交流する、にぎわいと活力あふれる拠点を形成」。
 都市開発事業を通じて増進すべき都市機能に関する事項は「建物の整備、更新に合わせて、商業業務・観光・文化・交流機能等多様な都市機能を集積」「駅周辺の再整備にあわせて、鉄道、バス、タクシーの乗継ぎの円滑化や利便性の向上など、交通結節点としての機能を強化」「歩行者ネットワークの充実等、駅を軸に人と公共交通優先のまちづくりの推進」。
 公共施設その他の公益的施設の整備及び管理に関する基本的事項は「バス・タクシー乗降場の機能充実等の交通結節機能の強化や安全性にも配慮した歩行者のためのゆとりある空間創出」「公共施設整備や都市開発事業で生み出されたオープンスペースを活かした魅力的な空間の確保や防災機能を強化」。
 緊急かつ重点的な市街地の整備の推進に関し必要な事項は「多様な都市機能が集積する拠点にふさわしい良好な都市景観を創出するとともに、東山のおだやかな山並みを背に、鴨川の水辺や緑豊かな自然、風情ある歴史的町並みが一体となった、周辺地域の優れた景観に配慮した良好な計画の推進」「都市開発事業の契機等をとらえ、備蓄倉庫の設置や一時滞留可能な空間等を確保するための支援・誘導の実施」「都市開発事業において、敷地内や屋上の緑化、建築物等の省エネルギー化や木質化、災害対応も想定した効率的で安定的なエネルギーシステムの導入等による脱炭素化を推進」。

京都駅南部エリア区域拡大も

 京都駅周辺・京都南部油小路通沿道地域の地域整備方針案によると、整備の目標は「京都の都市格の象徴として都市活力をけん引するとともに、ものづくり産業などの集積を図り、快適な暮らしとも調和する都市環境を創出するなど、京都の新たな活力を生み出す創造ゾーンの中心を形成」。
 都市開発事業を通じて増進すべき都市機能に関する事項は「効果的な土地・空間利用によるゆとりあるオープンスペースを活かし、賑わい機能の創出や防災機能を強化」。
 公共施設その他の公益的施設の整備及び管理に関する基本的事項は「公共施設整備や都市開発事業で生み出されたオープンスペースを活かした魅力的な空間の確保」。
 緊急かつ重点的な市街地の整備の推進に関し必要な事項は「エリアマネジメントによる地域の活性化の取組」「敷地内や屋上の緑化、建築物等の省エネルギー化や木質化、災害対応も想定した効率的で安定的なエネルギーシステムの導入等による脱炭素化を推進」「快適で効率的な移動の創出を図るため、IoTやAI、自動運転、MaaSの導入の推進」。
 なお、京都駅周辺地域(旧名・京都駅南地域)と京都南部油小路通沿道地域は、国(都市再生本部)から平成14年10月に指定を受けている(京都駅周辺地域は平成25年7月、平成27年7月に区域拡大)。今回、京都駅南部エリアの区域拡大となる。

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大和大路本町通の歩道
京都市が令和7年度に予定


 京都市は、都市再生整備計画(三条京阪駅周辺地区)をこのほどとりまとめた。
 主な内容をみると、三条京阪駅東側の大和大路本町通において、三条通との交差点付近は歩道や横断歩道が設置されておらず、車道も屈曲していることから、歩行者や車両の通行が危険な状況。このため現道を拡幅し、車線の線形改良を行うとともに横断歩道の設置及び車道両側に歩道を設置する。事業期間は平成29〜令和8年度を予定。
 街並みの魅力向上や道路利用者の利便性の向上による地域の活性化として、三条大橋で改修工事が実施され、三条大橋に隣接する三条通では電線共同溝事業が進められた。これらの事業とともに、大和大路本町通の歩道をインターロッキングブロック(ILB)化することによって、魅力的な街並みを創出し、かつ、案内看板の改修による観光客等の利便性を向上し、三条京阪駅周辺地区の地域活性化を推進する。
 案内看板改修(N1基)は100万円、歩道舗装のILB化(A350u)は1400万円の事業費を見込む。ともに事業期間は令和7年度を予定。