秋田市の仁井田浄水場の全面更新や豊岩浄水場、豊岩取水場の改造などを行う「仁井田浄水場等整備事業」の安全祈願祭が21日、仁井田浄水場の敷地内(秋田市仁井田字新中島)で行われた。発注者の秋田市、受注者の鹿島・水ingエンジニアリング・日本電機興業・日水コングループのほか、秋田河川国道事務所、市議会議員、秋田市建設業協会、近隣の町内会役員ら約90名が出席し、工事中の安全を祈願した。
全体計画は、仁井田浄水場の耐震性能が不足し、設備の老朽化も進んでいることから、既存施設の北東側市有地、南東側の汚泥ストックヤード、既設天日乾燥床の一部に新たな浄水場を建設し、合わせて豊岩浄水場と豊岩取水場を改造するもの。新浄水場は急速ろ過方式(粉末活性炭+凝集+沈澱+急速ろ過)を採用し、計画最大給水量は1日あたり65,300㎥。また、豊岩浄水場は計画最大給水量を1日あたり35,800㎥まで引き上げる。豊岩取水場では停電対応機能を強化するため、非常用自家発電設備を設置する。
事業はDB方式(設計・施工一括方式)で実施。9年度半ばまでかけて工事を進め、完成後に試運転を実施。10年3月の運転開始を目指す。
神事では、設計者の日水コンと中央設計技術研究所が鎌、穂積志秋田市長が鍬、施工者の鹿島建設、佐々木組、中央土建、水ingエンジニアリング、能登谷工務所、日本電機興業、秋田電機建設が鋤を入れた。
穂積市長は「予測困難な大規模自然災害が頻発するなか、インフラの耐震化や浸水対策は急務。市の給水量の97%を担う仁井田浄水場、豊岩浄水場の整備は、持続可能な水道事業の運営に欠かせない。新浄水場では耐震化、盛土による浸水対策はもとより、新たに自家用発電設備や粉末活性炭処理設備を導入することで、将来にわたり安全な水道水を安定的に供給できる体制を構築する」とあいさつした。
提供:秋田建設工業新聞社