横浜市建築局は、PPP/PFI手法による建て替えを検討している野庭住宅(港南区)のI・J街区について、各街区の事業者公募に向けた実施方針を9月にも公表する。2024年度内に特定事業への選定と入札公告の手続きまで進め、25年度に事業候補者を選ぶ予定だ。
野庭住宅は港南区野庭町に位置する市営住宅。A〜K街区内に88棟・計約3300戸の住棟が立地している。1972年度に完成し、施設・設備の老朽化と住民の高齢化が進行。周辺にある横浜市住宅供給公社の分譲住宅「野庭団地」(43棟・2869戸)を含めた再生とまちづくりの方向性について、地元を交えて検討している。
野庭住宅に関しては、施工時期の平準化や財政負担軽減の観点から、I・J街区を含む約1000戸で公民連携手法を導入した建て替え事業に取り組む。
I・J街区には鉄筋コンクリート造5階建ての住棟が15棟ある。総戸数は510戸で、間取りの内訳は3DKが500戸と4DKが10戸。建て替え後は約500戸を確保する計画だ。住棟を集約・高層化して用地を創出・活用することも視野に入れている。
現地の用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。
PPP/PFI手法の導入に関するアドバイザリー業務を地域計画建築研究所東京事務所(東京都千代田区)が担当した。
いずれの街区も建て替え事業の予定価格はWTO政府調達協定対象の基準金額を超えることが見込まれるが、2街区に分けて事業者を募ることで市内企業の受注機会を広げる狙いがある。
提供:建通新聞社