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北陸工業新聞社
2024/05/20

【石川】震災対応、グループの総力で/大成建設金沢支店長牛丸久史氏/エンジ技術を積極的にPR

 昨年4月、金沢支店を開設した大成建設。1月に発生した能登半島地震では同社災害対応の現地対策本部として機能し、現在も復旧活動を続けている。2年目を迎えた牛丸久史支店長にこの一年と今後の抱負を聞いた。
 ―創業150周年という大きな節目の年に開設した金沢支店だが、どのような一年だったか。
 「この一年は、積土成山の思いで様々な業務に取り組んできたが、第一に能登半島地震の対応に注力した年であった。改めて、能登半島地震で被災された方々へ心よりお見舞い申し上げたい。金沢支店としては、カーボンニュートラルに向けての取り組みとして、ZEB化、ZEF化に加え、当社のグリーン・リニューアルZEBの取り組みをアピールしてきた。これらは脱炭素社会の実現に不可欠で、地球温暖化による異常気象、ウェルネス、ライフスタイルの変化に伴い、リニューアルやコンバージョンが求められている。また、大成建設の強みであるエンジニアリング技術・部門は、医薬品施設を中心に50年以上の実績を有し、計画段階から運用までのサービスを一貫して提供できるものだが、まだアピールが十分でないと感じている。今後も継続して営業していきたい」と強調する。
 ―震度7の能登半島地震では、国交省の要請を受けた日建連を通じて震災直後から道路啓開などの復旧活動に入った。
 「地震発生直後に当社北信越支店を災害対策本部、金沢支店に現地対策本部を設置し、1月3日以降は両支店に富山、福井、長野営業所も含めて、現地CSセンターと災害対策の情報共有会議を始めた。1日3回、情報交換を行い、刻々と変わる現地の状況を把握しながら復旧活動を行ってきた」
 「道路啓開作業は震災直後、水もない、トイレも使えない中、金沢支店を拠点に片道4時間以上を要する場所での仕事だった。国道249号の輪島市里町付近の啓開作業をはじめ、大谷簡易浄水場の応急復旧、2月以降は能越自動車道穴水IC、のと里山海道横田ICの北側と南側で2車線化の工事に取り組んできた」と述べ、「当社の得意先支援では被災した七尾市や穴水町の医療機関や商業施設、工場関係の緊急・応急対応に全力を挙げている」
 ―今後の復旧復興支援活動、2年目の支店運営はどのように進めていくのか。
 「1月6日朝には、大成建設本社や北信越と関西支店から支援物資が到着し、被災地の得意先に届けることができ、喜んでいただいた。金沢支店は限られた人数だが、本社や各支店からの応援社員も着任し、1月10日時点で約50人のスタッフが揃い、石川だけでなく、富山や福井の各所に配置することができた。今後も大成建設グループとして、大成有楽不動産、大成建設ハウジング及び大成ロテックなどとともに、総力を挙げて対応していきたい。震災対応とともに営業活動は可能な限り、積極的に動いていきたい」

 うしまる・ひさし 1989年、大成建設入社。石川、富山など北信越管内で勤務後、2020年から本社建築営業本部統括営業部長を経て、昨年4月から金沢支店長(石川、富山、福井県担当)。

hokuriku