横浜市下水道河川局は、下水道施設のストックマネジメントなどでBIM/CIMの活用を検討している。まずはポンプ場で3次元モデルの基準を作成するため、検討業務をアジア航測(東京都新宿区)に委託した。モデルの作成範囲や詳細度、格納する属性情報などを具体化する。2次元図面での情報管理を見直し、施設状況を視覚的に把握できるようにすることで、維持管理から修繕、改修などの各段階で生産性向上につなげる狙い。
水再生センターやポンプ場といった下水道施設には、土木・建築構造物と機械・電気設備の機器や配管が同一空間内に複雑に配置されている。地下構造物や埋設管など、目視では把握できない箇所も多い。各施設の老朽化が進み、点検や修繕、再整備などの頻度が増える中、従来の紙データを含む2次元図面では情報の管理が難しくなっている。
そこで、BIM/CIMの3次元モデルや点群データを活用して施設状況の可視化と情報の一元化を進め、業務をより効率化できるようにする。
2024年度は北綱島ポンプ場(港北区日吉6ノ14ノ1)をモデルケースに、3次元モデルの詳細度を工種別に定義する。格納する情報の属性・量・範囲なども検討し、他の施設へ展開する際の基準にする。
3次元モデル内に各種情報を一元化することで、施工台帳の検索性向上や各種協議のスピードアップだけでなく、若手技術者への教育の円滑化、下水道事業の市民向け広報など、幅広い分野での利活用に生かしたい考えだ。
提供:建通新聞社