松山市の一番町一丁目・歩行町一丁目地区市街地再開発準備組合(二神良昌理事長)は、市街地再開発事業の計画立案や建築設計・工事監理、各種許認可手続きを担う一般業務代行者をプロポーザル方式で決めるため、5月10日に松山市で説明会を開いた=写真。同17日まで参加意向表明書、6月14日まで提案書を受け付ける。順調なら同19日にプレゼンテーションを行い、同日開催の理事会・臨時総会で委託先を選定、決定する。説明会には10者が参加し、準備組合側からは二神理事長ら3人が臨んだ。
説明会自体は非公開だったが、冒頭に二神理事長は「2021年3月に断腸の思いで事業を休止し、その後3年間で森ビル都市開発を含める各社との清算を終了して本日、新たな形での一般業務代行者募集説明会を実施するまでになった」と経緯を説明。その上で「事業の目的は細分化された土地を集約して、合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ること。ぜひ皆さんのお知恵をいただき、松山市の魅力向上に寄与するプランの提案をお願いしたい」とあいさつした。
また説明会後、二神理事長は報道関係者の取材に応じ「総事業費は200億円以上になると算定している」としつつも、今回のプロポーザルには提案に制約を設けなかった点を強調。民間の活力を生かし市中心部の発展できるような自由度の高いプランの提案に期待を寄せた。
準備組合では、一般業務代行の契約締結後、事業計画を作成するとともに、24年度内の再開発組合設立認可申請と再開発組合設立認可を目指す。その後は25年度の権利変換計画認可、26年度の既設解体工事、27年度の建築工事着工と29年度の建築工事竣工を視野に入れ、必要な手続きを進める。
一番町1丁目・歩行町1丁目地区は、旧国際ホテル松山跡地周辺約0・7fで計画している市街地再開発事業。19年6月に松山市から都市計画決定を受けるなど、当初地上29階建ての超高層マンションと14階建ての高層ホテルを一体的に整備する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大などを理由に21年3月に事業休止を決定。その後、医療と住宅を用途とした複合施設を整備する計画に変更するなどしていたが、資材高騰などの影響で計画の見直しを進めていた。
提供:建通新聞社