大津市都市計画課は、未利用地の「湖西台地区」について、産業用地として整備を目指すため、サウンディング型市場調査を行う。このほど支援業務の担当コンサルを昭和葛椏s営業所(京都市中京区)に決め、25年3月31日をメドに想定される事業内容や事業期間、産業用地の利活用等を取りまとめる。
同課では、宅地開発が予定されていた「湖西台地区(真野、伊香立)」について、民間事業者の意見を聞き、今後の方針を検討したうえで、産業用地として整備方針を決定していく。同市北部の未利用地である湖西台地区は、大津市都市計画マスタープランにおいて、北部地域の活力の源泉となる可能性を秘めていることから、その土地利用については、慎重かつ十分な検討を進めるものとして位置づけている。湖西台地区は、土地の規模が大きいこと等の課題から、その土地利用に向けては民間活力の導入が現実的であると考えられ、大津市立地適正化計画で定める居住誘導区域に含まれていないことや、インターチェンジ近郊という立地条件等から、既存の住居系用途地域の規制に縛られることなく、産業用地としての利活用等についても検討が必要と判断。現時点では、利活用方針や事業手法が決まっていないが、今回のサウンディング型市場調査を実施し、事業者との対話を通して、全体土地利活用の可否、産業用地としての利活用の可能性、想定される事業内容と必要とされる面積、事業期間と実施時期、想定されるインフラの必要供給量、参入にあたっての条件、懸念事項、行政や地域への期待や要望等を把握することを目的としている。
対象となる湖西台地区は、真野地域と伊香立地域からなる丘陵地で、面積約95・6f。1992年に住宅地として開発、宅地造成することが決定されていたが、住宅需要の減少等で事業は中止となり、現在は立ち入り禁止となっている。当時、約2000戸規模の整備計画で、事業主となり整備する予定だった大林組(東京都港区)は、対象エリアのうち、山林約66fを保有していたが、大津市に無償譲渡している。
同市では、産業用地として整備方針が決定すれば、県内の産業用地不足の解消にもなり、需要があると見込んでいる。地域活性化に繋がる土地利用としての期待もあり、今後の方針に注目が集まっている。
また、それに並行して、大津市用途地域見直しに向けたニーズ調査支援業務も進めていく予定で、25年3月末日をメドに内容を取りまとめる考え。
提供:滋賀産業新聞